日立市の小中学校へのエアコン設置

 12月7日に成立した政府の2018年度補正予算には、倒壊の恐れのあるブロック塀の撤去・改修や、公立小中学校などの全普通教室へのエアコン設置のための予算が盛り込まれました。すでに全国の学校施設で、子どもの安全対策が進められており、現場からの反響が数多く寄せられています。

■エアコン設置:学習環境の差をなくす/来夏まで公立小中・幼稚園に/茨城県日立市
「同じ市立学校の間で学習環境に差が出ないよう、全校へのエアコン設置は非常にありがたい」。茨城県日立市内のある小学校校長は、率直な思いを語ります。
日立市では、これまで普通教室のエアコン設置率が市立小学校で19.8%、市立中学校で29.3%でした。7月には愛知県豊田市で、校外学習からエアコンのない教室に戻った男児が、熱中症で亡くなる事態も発生。学校関係者や保護者の懸念が高まる中、市議会公明党(舘野清道幹事長)と村本しゅうじ党県県民運動局次長(県議選予定候補=日立市選挙区)は7月26日、小川春樹市長に小中学校の普通教室と幼稚園へのエアコン設置を求める緊急要望を行いました。
これを受け、日立市では、エアコン未設置の市立小中学校の普通教室全てと幼稚園の保育室に、暑さが本格化する前の来年6月をめどにエアコンを整備することを決定しました。
小川市長は、エアコンの設置を検討し始めたのは市議会公明党の緊急要望がきっかけだとした上で、「国の補正予算に盛り込まれた交付金を活用することでエアコン設置が実現でき、学習環境の充実が図れる」と強調しました。
文科省によると、公立小中学校普通教室のエアコン設置率は49.6%で、自治体間で設置状況に開きがあります。政府は補正予算に822億円を計上し、公立小中学校の普通教室全38万のうち、未設置の約17万教室に整備する方針です。
エアコン設置に関する実質的な自治体の負担割合は、従来は約33.3~51・7%でしたが、今回の決定に伴い約26.7%に抑えられます。

■茨城県議会公明党が推進/全県立高の普通教室も
茨城県は来年の夏までにエアコン未設置の県立高校25校全ての普通教室にエアコンを整備することを決め、約10億円の補正予算を計上。9月議会で成立しました。
県議会公明党議員会(代表:井手よしひろ県議)は7月27日、大井川和彦知事に酷暑対策を求める緊急要望を行い、その中で県立学校への早急なエアコン整備を要請していました。
その上、すでに保護者負担によって設置されている71校の県立高校の維持費も県が負担。これまで月額最大900円だった保護者負担が200円に軽減される予定になっています。

■ネットワークの力で加速/石田祝稔政務調査会長
公明党の要望を盛り込んだ補正予算が成立したことを受け、倒壊の危険性があるブロック塀の撤去や、学校施設へのエアコン設置が大きく前進することになりました。
ただ、全額国費ではないことから、今後は各市町村で補正予算を組むなど、地方議会での手続きが必要になります。
大阪府北部地震や今夏の猛暑を教訓に、子どもの命を守る対策を前に進めることは、政治の最重要課題です。党として、国と地方のネットワークの力を存分に発揮し、現場で予算の早期執行に向けた取り組みを加速させていきたいと思います。