令和5年 第一回定例会 予算特別委員会での質疑 「令和5年度予算の編成方針について」

1 令和5年度予算の編成方針について【知事】

(1)「新しい茨城づくり」に向けた予算編成方針

(村本しゅうじ委員質問)

 はじめに、令和5年度予算の編成方針について知事にお伺いいたします。

 まず、「新しい茨城づくり」に向けた予算編成方針についてであります。

 現在、我が国を取り巻く環境は、3年以上に渡るコロナとの熾烈な戦いから、いよいよウィズコロナ・アフターコロナとして新たなフェーズへと突入しつつあります。

 しかし、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した燃油高騰・物価高騰が家計を圧迫し、県民の生活しづらさが増す中で、過度な円安で世界の中での我が国の位置づけが大幅に低下していることが如実に明らかとなる等、これまでの社会システムでは、乗り越えることが難しい状況に見舞われています。

 茨城県の発展に向けて、このような困難との新しい闘いが始まる令和5年度は、知事の目指す「新しい茨城づくり」がまさに必要且つ大事な1年となります。知事の信条である「失敗を恐れずにチェレンジしていく」姿勢が真に求められています。そして、そのチャレンジで得た成長の果実とその分配のバランスが非常に重要で、その果実を迅速に分配していく予算編成であってほしいと思っております。

そこで、令和5年度予算編成に当たり、特にどのような点を重要視したのか、知事にお伺いいたします。

(大井川知事答弁)

お答えいたします。

 コロナ禍からの社会経済活動の正常化が急務である中、激動する国際情勢や急速に進む人口減少など、変化の激しい「非連続の時代」の中にあって、本県が更なる発展を実現するため、令和5年度予算は、グローバルな視点と挑戦の気概を持ち、茨城の潜在能力を最大限に引き出すべく、将来を見据えた施策(しさく)を積極的に推進する予算として取りまとめました。

 特に重点を置いたのは、海外との経済交流を強化するための事業であり、徹底した差別化や高付加価値化に加え、市場ニーズを踏まえた戦略的な営業活動を展開するため、輸出拡大にチャレンジする事業者を積極的に支援してまいります。

 また、先月台湾で実施した、過去最大級の商談会などで掘り起こした本県への需要を確実に取り込み、県産品の輸出拡大、観光消費額の増加に直結させられるよう、引き続き、プロモーションなどに全力で取り組むこととしております。

 さらに、雇用を確保していくため、「ひたちなか地区」に新たな工業団地を開発するとともに、県民のリスキリングを強力に推進するほか、高度デジタル人材を育成するため、「県立産業技術短期大学校」の4年制大学校の開校に向けた準備を進めることといたしました。

 加えて、あすなろの郷再編に向けたセーフティネット棟の建設、街頭防犯カメラの設置費の支援など県民の安心安全を守る施策(しさく)にも、しっかりと対応しております。

 県といたしましては、これらの施策(しさく)をスピード感をもって確実に取り組み、未来を切り拓き、「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向け、積極果敢に挑戦してまいります。

(2)県北振興の予算編成方針

(村本しゅうじ委員質問)

 一方、県全体の成長を成し遂げていくには、県北振興が重要であると思います。

 県北には、様々なポテンシャルがあり、それらを活力に繋げていく必要があります。その時に、自らが課題の発見と分析、そして、リスクを取ってチャレンジしていくリーダの育成、更に、チャレンジのハードルを下げる政策も肝要であると思います。

 この県北振興は、長年本県の課題としてあげられており、これまでも様々な取り組みが行われてきたと承知しております。

 そこで、県北のポテンシャルを引き出して、活力にしていくための県北振興について、令和5年度予算編成において留意した点を、知事にお伺いいたします。

(大井川知事答弁)

 お答えいたします。

 県内でも、人口減少や高齢化の進行が著しい県北地域を持続可能な地域とするため、現在、「県北振興チャレンジプラン」に基づき、仕事づくり、人づくり、にぎわいづくりを柱として、さまざまな分野の県北振興施策(しさく)を部局横断的に推進しているところであります。

 来年度の県北振興の予算は、()地域との差別化を図りながら、より付加価値の高い事業の創出を支援するとともに、(そと)からの人材やアイデアを更に呼び込みながら、地元を触発し、様々なチャレンジを後押しするほか、PRを強化することにより、雇用の創出や交流人口の拡大などの施策(しさく)を強力に推進する予算としております。

 まず、仕事づくりにおいては、引き続き、県北ものづくり企業の高い技術力を活かした医療や宇宙などの成長分野への進出や、意欲ある企業に対する新事業展開を支援してまいります。

また、儲かる農業を実現するため、来年度は、付加価値の高い有機農業を行うモデル団地を県北地域において更に拡大するとともに、新たに、有機JAS認証取得を支援してまいります。

 次に、人づくりにおいては、県北地域に特化した「起業型地域おこし協力隊」の枠を20名から30名に増強するとともに、コーディネーターを配置し、隊員の円滑な起業をサポートするほか、こうした隊員の活躍をより一層PRしてまいります。

 さらに、にぎわいづくりにおいては、現在、県北ロングトレイルやサイクリングルートを活用し、グルメや温泉、地域文化などをつなぐ新たな観光ルートの創出を図っているところであります。

 来年度は、県北ロングトレイルと登山アプリを連携させたPRや地元への誘客の仕組みづくりを進めるとともに、新たにショート動画による県北地域の魅力ある地域資源を紹介し、デスティネーションキャンペーンともタイアップしながら、より多くの地域を巡ってもらうことにより、来訪者の滞在時間の拡大と消費喚起を促進してまいります。

 県といたしましては、県北地域のおかれた現在の厳しい状況を打破するため、引き続き、県北振興チャレンジプランに掲げる取組を部局横断的に推進し、チャレンジ精神の(あふ)れる地域となるよう、全力で取り組んでまいります。

(村本しゅうじ委員要望)

 答弁の中にありましたように、県北振興チャレンジプランが展開されておりますが、このほか、県北振興の最も有効な手段のひとつとして、主な基幹産業である中小製造業の振興を位置付ける必要があると思っています。

 中小製造業と言っても多様な業態があり、それぞれの課題があり、それぞれの成長戦略が必要です。

 是非、次期のプラン策定では、県北振興局と産業戦略部が協力して、実態把握や中小製造業のブランド化等、中小製造業がチャレンジできるよう環境整備の施策を盛り込むことを検討していただきたいと思います。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市