令和3年 第一回定例会 予算特別委員会 質問「新産業廃棄物最終処分場の今後の対応について」

2 新産業廃棄物最終処分場の今後の対応について

村本議員:

 新産業廃棄物最終処分場は、昨年5月26日に日立市諏訪町の太平田鉱山跡地が候補地として公表された。

 私も、昨年の2定の一般質問で、このことを取り上げさせていただいて、住民の声をよく聞き、環境に配慮し、搬入路は山側道路から新しいルートを検討するよう提案をした。

 一方、県においては、市民の理解を得るために、計40回の住民説明会を実施し、環境に対する影響や中間処理施設の要否、更には交通安全に対する配慮を求める声が多く上がった。

こ れらを受け、県では、時間をかけて検討を行い、2月15日に日立市議会新産業廃棄物最終処分場整備調査特別委員会及び市民に対するフォローアップ説明会で、住民説明会での意見を踏まえた新処分場整備に向けた課題の対応策を示したそうですが、どのような内容か?県の新たな提案内容について、改めて知事に伺う。

大井川知事:

 昨年6月から8月にかけて実施した住民説明会においては、市民の皆様から搬入道路の交通安全対策や中間処理施設の是非、施設の安全性、地域振興策など多くの意見が寄せらた。

 まず、搬入道路につきましては、これまで、「国道6号油縄子交差点から整備候補地へ向かうルート」としておりましたが、「油縄子交差点からは搬入車両を通してほしくない、新たな搬入ルートを整備すべき」とのご意見を多数いただきましたことから、搬入ルートとして、山側道路から整備候補地まで直接つながる道路を整備し、油縄子交差点からの搬入は行わないこととした。

 この新設道路については、一般車も通行可能とし、新処分場の供用に合わせて開通できるように整備を進めていく。

 中間処理施設については、県内に民間の中間処理施設が多く設置されており、現在稼働している「エコフロンティアかさま」に併設した焼却施設での処理実績をみても、民間事業者による処理が可能な状況であるため、公共関与による施設整備の必要性が認められないことから、整備しないことを県の方針とした。

 施設の安全性については、地質調査の結果、整備候補地の地盤は、石灰岩や粘板岩を主体とする堅固な地盤であり、一部、小さな空洞がみらたが、規模の大きな空洞は確認されなかった。今後、専門家の意見を聞きながら、必要に応じ詳細調査を実施し、周辺環境へ影響が出ないよう安全対策を講じていく。

 地域振興については、地元の皆様がより暮らしやすい地域になったと思っていただけるよう、現時点で県が想定している地域振興策の例を提案した。

村本議員:

 新搬入道路が出来るまでは、処分場の供用を開始しないことなどを表明し、市民から安堵したとの声も多く聴かれた。

 工事中の工事車両増加による現道の交通安全や新搬入道路近傍にお住まいの方からは不安の声も上がっている。

 先日まで実施されたフォローアップ説明会での住民のご意見に対する対応や今回の予算案に入っている新搬入道路の調査・設計、更なる安全性に関する具体的な説明など、住民が納得できるようお願いする。

 また、日立市民にとって本施設は、マイナスのイメージのある施設であり、まだまだ心配事が払拭されていない方もいることも事実。一にも二にも、丁寧な議論・説明を心掛け、そして、日立市の受諾の可否に依るが、基本計画は、安全性が高く、最新技術を用い、且つ工事車両運行が最小となる市民の意見を反映した検討をお願いする。

 以上を踏まえ、新産業廃棄物最終処分場の今後の対応方針について知事に伺う。

大井川知事:

 住民意見を踏まえた県の対応策については、今月に入って、週末の土日の4日間で計8回、フォローアップ説明会を開催し、お示しした。

 この中で、新設道路については、「中丸団地や大久保中学校周辺の交通安全に配慮が必要」とのご意見をいただいていることから、中丸団地北側の出入口付近の市道との交差部分については、今後、測量・設計を実施する中で、立体交差による整備も検討するなど地域の交通安全に十分配慮していく。

 また、「工事用車両による工事渋滞や交通安全が心配」とのご意見もいただいている。

 新処分場建設中の工事車両については、通勤・通学時間を避けるほか、安全運転を徹底するとともに、処分場や道路整備に伴う土砂等については、整備候補地内でできるだけ処理し、搬入搬出車両の台数を極力抑えていきたい。

 また、市民の皆様に処分場整備についてのご理解を深めていただくため、フォローアップ説明会の資料等については県のホームページに掲載するほか、整備候補地周辺のコミュニティをはじめ、市内すべてのコミュニティに資料を配布している。

 さらに、新処分場整備の必要性や県の対応策などを市報折込チラシなどにより、多くの市民の皆様にお知らせをし、ご理解をいただきたいと考えている。

 また、日立市から受諾をいただいた後に、処分場の地質・廃棄物工学等の専門家などで構成する基本計画策定委員会を設置し、最新の知見や技術の導入を検討するとともに、市民の皆様のご意見を伺う機会も設け、地域との共生を目指した基本計画を策定してまいりたいと考えている。

村本議員:

 安心安全は基より、住民からのご意見を反映、例えばカンブリア紀の地層を活かした環境学習施設とするとか、県北振興の着実な推進、抜本的な日立市内の渋滞対策など、その声をよく聞き、是非、この事業が日立市民にとって、県民にとってプラスの事業となるような対応をお願いする。