流域治水対策の一環として里根川、関山川、関根川に「調整池」整備

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昨年9月に発生した台風13号に伴う風水害で、県北三市(日立市、高萩市、北茨城市)では大きな被害が出ました。村本修司議員ら茨城県議会公明党議員会では、県北地域の中小河川で総合的な流域治水対策を行い、抜本的な洪水対策を行うよう主張してきました。

これらを受けて3月27日、「茨城県二級水系流域治水協議会」が開催され、「台風第13号を踏まえた二級河川における緊急対策」が公表されました。
それによると、茨城県が貯留機能強化を柱とする緊急対策を行います。今後5年間をめどに、里根川(北茨城市)、関山川(北茨城市)、関根川(高萩市)の3河川で、各1カ所に新たな調節池を整備し、河川の越水や溢水など氾濫による浸水被害に備えることにりました。
また、河道を掘削して流下能力を向上させるほか、監視カメラの増設などを進める方針です。

台風13号による大雨では、日立市の宮田川、鮎川、東連津川、大沼川、北茨城市の里根川、関山川、江戸上川、塩田川、高萩市の関根川の県管理9河川で氾濫が発生しました。こうした被害を受け、県は県北9河川に対する緊急対策を検討してきました。
緊急対策ではこのほか、河道掘削を氾濫被害のあった9河川全てで実施し、流下能力を向上させます。里根川と関根川で、沿岸の水田に雨水を一時的にためる「田んぼダム」の導入を検討。里根川、東連津川、鮎川には河川監視カメラを新たに設置したり、設置箇所を増やしたりする計画です。

県が管理する2級河川では、これまで河道掘削を中心としたハード対策を進めてきました。台風13号で過去最大規模の大雨が観測されるなど、被害が激甚化する傾向にあることから、流下能力の向上に加え、貯留機能の強化を重点的に実施する対策を進めることになりました。
さらに、県は管理する県内全216河川で、ハザードマップの基礎資料となる「洪水浸水想定区域図」の作成を24年度中に完了させる方針です。県河川課は「調節池は流域全体の被害を防止する上で、早期に効果が出せる対策の一つ」としており、頻発化・激甚化する自然災害への備えを強める考えです。