「避難所としての小中学校の体育館のエアコン設置」 令和6年 第一回定例会 予算特別委員会
避難所としての小中学校の体育館のエアコン設置についてお伺いします。
能登半島では、現在も地震による避難者の多くが、暖房が十分でない体育館で避難生活を続けております。体育館内で毛布にくるまることで、運動量が少なくなり、また、水分控えなどから循環器系の疾患で体調を崩すケースが散見されるとのことです。そして、今日現在15名の方が災害関連死されている現状を目の当たりにし、この対策の優先順位を上げざるを得ないと感じています。
昨年の第3回定例会の一般質問をはじめ、私はこれまでも、体育館へのエアコン設置を訴えて参りました。しかし、小中学校の体育館へのエアコン設置率は、全国平均11.9%に対して茨城県は、2.6%と大きく遅れ、全国26位となっていると伺っております。緊急時に準備できる空調設備を含めた確保率も全国19位とのことです。
順位が問題にしたいのではなく、茨城県での設置率、確保率アップのために、設置が進んでいる自治体の先進事例を調査いただき、適切に市町村の指導を行なっていただきたいと思います。
多額の予算が必要であり、簡単な話ではありませんが、体育館にエアコンを整備することは、教育環境の改善になることはもちろんのこと、災害時の避難所としての環境改善にもつながります。その点も勘案して、体育館へのエアコン設置を推進していただきたいと思います。
そこで、先進自治体の事例を調査するなど、県内小中学校体育館へのエアコン設置促進に向けた取組について、教育長にお伺いします。
【教育長答弁】
お答えいたします。
【小中学校体育館の空調設備設置の必要性】
体育の授業や部活動、集会場として使用される体育館への空調設備の設置は、児童生徒の熱中症対策として重要でありますとともに、委員ご指摘のとおり、災害発生時には地域の避難所としての利用も想定されるため防災機能強化の観点からも望ましいものと認識しております。
【小中学校体育館の空調設備設置の現状】
2022年9月1日時点における公立小中学校のエアコン設置率は、普通教室100%、特別教室74.5%と、全国平均を上回るものの、体育館等の設置率は2.6%と、全国平均11.9%を下回る状況にございます。
【県の取組】
このため、県では、市町村教育委員会に対しては、体育館等への空調設備の設置に活用できる文部科学省の交付金制度を周知するとともに、国に対しては、制度の拡充や補助率かさ上げ継続の要望を行っております。
委員ご提案の先進自治体の事例調査についてでございますが、今回、体育館の空調設備設置率が近年伸びている他県や県内市町村から聞き取りを行ったところです。
その結果、「手厚い交付税措置のある地方債『緊急防災・減災事業債』を活用している例が多い」、また「資源エネルギー庁が窓口となっている民間の補助金を活用している事例がある」といった状況でございました。
【まとめ】
こうした他の自治体の事例を踏まえますと、
今後は文部科学省の交付金制度に加え、充当し得る他の財源についても、市町村に幅広く知っていただき活用いただくことが、空調設備設置の促進に有効ではないかと考えられますので、このような観点も考慮しながら、情報提供に取り組んでまいります。
県といたしましては、引き続き小中学校体育館への空調設備の設置を促進し、児童生徒の快適な学習環境の確保に努めてまいります。
【村本しゅうじ議員質問要望】
早速、先進自治体の状況を調査をしていただきまして、ありがとうございました。
私自身この体育館のエアコン設置の課題といたしましては、まず、エアコンの機器の設置もさることながら、体育館の断熱構造の改造だというふうに思っております。
また新設、改築の体育館におきましては最初からつけられるということでコスト低減も図られる。
ところは認識をしておりますが、もうすでに既存の体育館への増設、また改造というのは、耐用年数の観点からも、なかなか課題が多いものだと思っております。
今後は、他の都道府県におきまして、そういう既存の体育館に、エアコンの設置、また断熱構造の負荷を行った事例なども調査をいただきまして、県内でも、既設体育館へのエアコン設置が進むよう、お願いをしていただきたいと思います。
いずれにしてもこの本件は、防災部局と教育部局とのはざまにあるような問題だというふうに私は考えております。
しかし、現在の能登半島の被災者を見てみるにつけ、あの状態を茨城県では繰り返しはならないというふうに思っております。
今後の設置率の向上に期待を申し上げます。
※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。
#茨城県議会 #日立市