令和3年 第一回定例会 予算特別委員会 質問「新型コロナウイルス感染症 ワクチン接種における市町村支援」
1 新型コロナウイルス感染症対策について
(2)ワクチン接種における市町村支援
村本議員:
この新型コロナワクチンは、コロナ禍を収束に向かわせると期待されており、政府も担当大臣を設け、万全の態勢で臨んでいる。
しかし、その供給量やその供給スケジュールは不確かであるという課題がある。
一方、3週間程度の期間を開けて一人2回の接種が必要であったり、引っ越しなどの自治体間の移動管理が必要、更に問合せ対応等、接種のデータの管理も大きな課題となっており、政府としてワクチン接種記録システムの導入を準備し、各自治体への説明会を行っていると伺っている。
開発から運用開始までの期間が短い為、ある程度仕方のないことではあるが、我々公明党が実施した新型コロナウィルスワクチン接種体制に関する自治体意向調査で回答のあった1,287市町村のうち、情報不足を訴える自治体が9割を超えるなど混乱の兆しが見える。
そこで、県は、コロナワクチン接種における課題をどのように捉えているか保健福祉部長に伺う。
保健福祉部長:
新型コロナウイルスワクチン接種に向けては、実施主体である市町村と連携して体制の整備に努めているが、ワクチンの供給の見通しが立たず、市町村では、予約スケジュール等の計画が立てにくい状況となっている。
このため、全国知事会として、国に対して、供給時期等を可及的速やかに示すよう、要望している。
また、ワクチンは3週間をおいて2度の接種が必要であり、転居などによって、二度目の接種が受けられないなどの混乱を招かないよう、個人の接種履歴をしっかり管理していくことも重要。
現在、国が導入を進めているワクチン接種記録システムは、氏名、生年月日、マイナンバー等の情報と、ワクチンの接種履歴が紐づけされて保存されるシステムであり、導入により接種履歴がリアルタイムで記録されることとなる。
なお、このシステムにつきましては、導入決定から日が浅く、運用方法の詳細につきましてまだ十分に明らかにされていないことから、国に対して、速やかに作業手順を示すなど、自治体への情報提供やシステム改修の費用など財政面を含めた支援を行うよう求めている。
村本議員:
このワクチン接種の実施主体は市町村であり、現場での混乱を少しでも少なくするために、様々な状況を想定したシミュレーションが必要であり、県としても、各市町村との連携を密にして、サポートをしていくことが重要であると考える。
そこで、県として、このワクチン接種の市町村支援に対して、どのように対応しようとしているのか伺う。
保健福祉部長:
3月5日から県内でも医療従事者約9万人に対するワクチン接種が始まっており、4月からは約84万人にのぼる高齢者への接種が始まる予定となっている。
ワクチン供給量は5月以降、大幅に増えていくことが国から示されているが、供給が十分でない時期は、市町村において優先順位を定めて、接種対象者を選定する必要がある。 このため、県におきましては、地域における感染状況、クラスター発生リスク、重症化リスクなどを勘案して、優先すべき対象者を検討しておくなど、想定しうる様々な事態に対してシミュレーションを行い、適切に市町村へ方針を示し、円滑に接種を進めて頂くよう支援をしている。
間近に控えた高齢者への接種につきましては、特に重症化リスクの高い入所者が多い高齢者施設におけるクラスター発生をできる限り未然に防ぐ観点から、まず施設入所者及びその施設の従事者に対して優先的に接種いただくよう、県から市町村にご協力をお願いしている。
県においても、接種券の交付にあたっては、まずは施設入所者に絞るなど段階的に接種券を発送することや、広報誌などを活用して施設に入所されていない高齢者の接種予約開始時期をアナウンスすることなど、現場で混乱が生じないよう、市町村に対して情報を整理し、住民の方に分かりやすい案内に努めて頂くよう働きかけていく。
さらに、県においは、接種に関わる医師や看護師向けのアナフィラキシー対応研修会の開催や、副反応発生時に対応頂ける医療機関の体制整備など、あらゆる事態に備えた準備を進めている。
短期間で全国にワクチンを行き渡らせる準備を進めている国から、日々沢山の情報が更新されているが、県では、必要な情報を速やかに市町村に届けるとともに、市町村から受ける様々な質問や相談に対し、地域の実情に応じた対応策を共に検討する。
村本議員:
引き続き、しっかりと課題を想定して、先手を打っていただきたく。