技能五輪を通じた茨城県産業の競争力強化と人材づくりについて【令和8年 第一回定例会 一般質問】
※最下部に要約があります。
令和8年 第一回定例会 一般質問
【村本修司議員質問】
技能五輪を通じた茨城県産業の競争力強化と人材づくりについて伺います。
本県はこれまで、技能五輪全国大会において累計金賞獲得数全国第2位という、誇るべき「技能の牙城」を築いてきました。これは現場の努力に加え、県による激励や表彰といった支援の成果であり、高く評価するものです。
一方、米国では専門技能職の市場価値がオフィスワーカーを凌駕する「スキル・ベース・エコノミー」が進展するなど、時代は転換点にあります。
しかし、現状は、昨年のリヨン国際大会において、諸国の猛追により日本の相対的地位の低下が露呈し、本県においても直近の全国大会で金賞獲得数がゼロとなるなど、「技能の茨城」ブランドの維持が喫緊の課題となっています。
一般財団法人日本総合研究所会長の寺島実郎氏は、「経済の真の担い手である「現場力」に光が当たらない現状こそが、日本経済の衰退を象徴している」と警鐘を鳴らされています。今こそ「現場力」の復活を本県の産業政策の核に据え、自分の技能に夢をかける青年たちを、「県の宝」として守り育てることを目的として、以下の三点を提案します。
第一に、中小企業の「挑戦の壁」を取り払う直接的な経済支援の拡充です。単なる激励に留まらず、参加費用助成拡充などの踏み込んだ支援を推進してはどうでしょうか。
第二に、デジタル技術による「圧倒的な習得スピード」の実現です。VRやデジタルツインを導入したトヨタ工業学園等の事例や、県内企業の知見を活かし、本県として「デジタル技能訓練センター」を整備すべきです。熟練の技術を可視化し、若者が最先端技術を使いこなす環境の構築をお願いします。
第三に、入賞後の「キャリアパスの明確化」です。入賞者を「将来の名工候補」として公式に認定し、事業拡張時の低利融資や高度資格取得への全額助成などの制度を設けるべきだと思います。併せて、入賞者を「技能アンバサダー」に任命し、SNS等でその活躍を戦略的に発信し、子どもたちの「憧れのスター」となる新たな社会モデルを構築してはいかがでしょうか。
このような施策を通して、2028年の愛知国際大会では、本県を世界に冠たる「次世代技能立県」へと進化させるべきと考えます。
以上を踏まえ、技能五輪を通じた茨城県産業の競争力強化と人材づくりについて、産業戦略部長のご所見を伺います。
【産業戦略部長答弁】
現在、わが国において人口減少が加速度的に進む中、ものづくり産業では、熟練技能者の高齢化が進み、若手の確保・育成と技能の継承が大きな課題となっております。
そのため、若手が技能の習得に挑戦し、成長できる機会を増やしていくことは重要であり、技能五輪の全国大会や国際大会は、若年技能者にとって、自身の成長した姿を社会に対し広く発信することができるなど、目標となりうる大変重要な場であると考えてございます。
まず、議員ご提案の中小企業の「挑戦の壁」を取り払うための経済的支援の拡充についてであります。
本県では、茨城県職業能力開発協会において、訓練材料費や外部講習会への参加費用等を対象に、技能五輪への出場選手1人あたり最大6万円の補助を行っております。
加えて、協会では国の委託事業により、大会参加のための交通費や宿泊費、工具等運搬費についても支援をしております。
今後は、例えば、これまで出場者が大企業中心となっていた職種について、新たに中小企業等から出場した場合には支援を充実することなども協会と協議をしてまいりたいと考えてございます。
次に、議員ご提案のデジタル技能訓練センターにつきましては、現在、機能強化を進めている産業技術専門学院や産業技術短期大学校が、まさにその役割を担っていけるものと考えております。
まず、産業技術専門学院においては、デジタル時代に対応した技能者の育成を図るため、従来からのものづくり技能の習得に加え、メカトロニクスや溶接ロボットティーチングなどのデジタル技術を合わせて習得できるよう、カリキュラムの見直しを行ったところでございます。
また、産業技術短期大学校においては、本年4月に「情報テクノロジー大学校」として新たに開校し、AIやデジタルツインなどの先端テクノロジーに関する知識・技能などを習得する応用課程を設置いたします。
さらに、専門課程については、企業の即戦力となる高度で実践的なIT技術者を育成するコースを新設し、生産技術をIT活用で支援するエンジニアの育成を図ってまいります。
加えて、デジタル技術による「圧倒的な習得スピードの実現」につきましても、令和10年度からの学院の再編に合わせて、AIやVRを用いた機器を導入して訓練を実施するなど、技能の習得効率を高める訓練環境の構築を検討してまいります。
次に、技能五輪入賞者の「キャリアパスの明確化」についてであります。
まず、入賞者を「技能アンバサダー」として任命し、SNS等で情報発信する取組につきましては、成功体験や技能への誇りを年齢の近いアンバサダーから伝えることで、若者が技能の魅力に触れ、将来の進路を検討する上で有意義な機会になるものと認識しております。
このため、こうした取組が若者のものづくりへの興味関心を呼び起こすきっかけになるよう、今後、関係機関と連携し、実施に向けた検討を進めてまいります。
また、入賞者を「将来の名工候補」として認定し、低利融資や資格取得助成を行うことにつきましても、まずは他自治体の実施状況などを調査してまいりたいと存じます。
県といたしましては、技能五輪を契機として、関係機関や企業と力を合わせ、人材育成の更なる推進と産業競争力の向上、そして若者が活躍できる地域社会の実現に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。
【村本修司議員感想・要望】
ご答弁ありがとうございます。2009年には、この茨城県で技能五輪・アビリンピックが行われ、約1,000人の若者が参加し、そのうち、茨城県代表は109人、そして金賞5人・銀賞11人・銅賞10人、敢闘賞17人の計43入賞という過去最高成績を収めたそうであります。このような輝かしい成果を過去のものとせず、2028年の愛知国際大会では、「次世代技能立県」を目指して、取り組んでいただくことをお願いしまして、次の質問に移ります。
【村本修司議員感想・要望】
実証試験から始めていただけるとのことでした。ありがとうございます。
一日も早い実装をご期待申し上げます。
#茨城県議会 #日立市
以下ChatGPTによる要約です。
技能五輪を通じた茨城県産業の競争力強化と人材づくりについて
◆概要(要約)
茨城県はこれまで、技能五輪全国大会の累計金賞獲得数全国第2位という「技能立県」としての実績を築いてきました。しかし近年は、国際大会での日本の相対的地位の低下や、県内においても全国大会の金賞がゼロとなるなど、技能のブランド維持に課題が見え始めています。
人口減少が進む中、ものづくり産業では熟練技能者の高齢化が進み、若手技能者の育成と技能継承が大きな課題となっています。
そこで私は、「現場力」を産業政策の中心に据えるべきと考え、次の3点を提案しました。
1.中小企業の挑戦を後押しする経済支援の拡充
技能五輪への参加費用助成など、より踏み込んだ支援の強化
2.デジタル技術を活用した技能習得の高度化
VRやデジタルツインを活用した「デジタル技能訓練センター」の整備
3.入賞者のキャリアパスの明確化
入賞者の認定制度や「技能アンバサダー」による発信など、若者の憧れとなる仕組みづくり
これらの施策を通じて、2028年の愛知国際大会に向けて、茨城県を「次世代技能立県」として発展させるべきと提案しました。
◆執行部が約束・言及した主な事項
今回の答弁では、次の点について県として取り組む方向が示されました。
● 若手技能者の育成と技能継承は、ものづくり産業にとって重要な課題であるとの認識を示した
● 中小企業からの技能五輪出場を増やすため、支援拡充について職業能力開発協会と協議する
● 産業技術専門学院・産業技術短期大学校を中心に、デジタル技術を取り入れた技能訓練の強化を進める
● 令和10年度の学院再編に合わせ、AI・VRなどを活用した訓練環境の整備を検討する
● 技能五輪入賞者を「技能アンバサダー」として活用する取組について検討を進める
● 入賞者のキャリア支援(低利融資や資格取得助成など)について、他自治体の事例を調査する
◆私の要望
2009年には茨城県で技能五輪・アビリンピックが開催され、県代表109人のうち43人が入賞するという過去最高の成果を収めました。
この輝かしい実績を一過性のものにせず、2028年の愛知国際大会を見据え、茨城県が再び「技能立県」の旗を掲げる先進県となるよう、さらなる取組を強く要望しました。
