全ての県民に防災情報を届けるための情報伝達体制の充実について【令和8年 第一回定例会 一般質問】

※最下部に要約があります。

【村本修司議員質問】

 全ての県民に防災情報を届けるための情報伝達体制の充実についてお伺いします。

 近年、気候変動をはじめとした災害の激甚化・頻発化が目に見える形で進む中、災害発生時の人的被害を最小限にするためには、県民自らが命の危険を感じたらすぐに安全な場所に避難することが非常に重要であります。そのためには、平時から身近な場所の災害リスクをハザードマップなどで事前に把握することや、災害発生の危険性が高まった際に気象庁の発表する気象情報や市町村の発令する避難指示等の情報を確認することが大切であります。

 県においては、これまでにさまざまな防災対策関係の取組を実施してきたと認識しておりますが、私は、言語や障害の壁によって情報が届きにくい県民への配慮や工夫は常に意識しなければならないと考えております。既存の防災情報の多くは日本語での情報発信であるため、日本語に慣れていない在住外国人がすぐに避難情報を理解し避難行動に移すことは難しいのではないかと感じております。また、ハザードマップの情報は紙媒体がメインであり、視覚障がい者にも防災情報が行き届きにくいとも感じているため、情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策促進法に則り、障がいの有無による分け隔てが起こらないような情報提供の工夫も求められているのではないでしょうか。

 住民へのハザードマップや避難指示などの情報伝達については、基本的には市町村が取り組んでおりますが、県においても、防災情報が届きにくい県民に対する情報伝達体制の充実を図ることによって、県民一人ひとりの災害リスクを最小化できるよう、より一層取り組んでいただきたいと考えます。

 以上を踏まえ、全ての県民に防災情報が届くよう、どのように情報伝達体制の充実に取り組んでいくのか、防災・危機管理部長にお伺いします。

【防災・危機管理部長答弁】

 防災情報は、受け手に応じて効果的な伝達手段が異なってくるため、情報が入手困難な方にも確実に伝達されるよう、多様な伝達体制を整備しておくことが重要であると認識しております。

 そのため、地域住民の方にハザード情報や避難指示などの情報伝達を担う市町村では、防災行政無線や広報車のほか、ホームページやメールマガジン、SNSなど様々な手法により、防災情報を発信しております。

 また、洪水や土砂災害などの危険箇所や避難経路、避難場所を地図上に示したハザードマップを配布するなど、平時からの情報提供にも取り組んでいるところです。

 さらに、県におきましては、市町村や消防本部をはじめとした関係機関で災害情報を共有する「防災情報ネットワークシステム」を活用し、市町村が発令した避難指示等の情報をもとに、Lアラートを経由して、テレビや緊急速報メールで情報を速やかに発信するなど、市町村と連携した防災情報の伝達に努めております。

 しかしながら、これまでの防災情報は、議員ご指摘のとおり、日本語による伝達が主となっており、災害が激甚化・頻発化する中、日本語に不慣れな外国の方など情報の入手が困難な方々にも確実に伝達できる体制の整備は不可欠であると認識しております。

 このため県では、これまで、防災・危機管理ポータルサイトにおいて、防災情報を10の言語で発信しておりますほか、県独自の我が家のタイムラインを外国人向けのやさしい日本語版を含む11の言語で提供するなどの取組を行ってきたところです。

 また、市町村においても、災害が起きた際の行動や、避難所の役割などを学べる、外国人向けの多言語版防災ハンドブックを作成するなどの対応をしていると承知しております。

 そうした中、本県の令和8年度当初予算案におきましては、外国人や、文字では情報が伝わりづらい視覚に障害がある方などに向け、新たに多言語や音声で情報を伝達できるスマートフォンアプリを導入する事業について、予算計上したところであります。

 このアプリは、視覚障害者向けに開発されたものでありますが、スマートフォンの位置情報を基に、周辺の災害リスクや最寄りの避難所の情報を音声で読み上げる機能が搭載されており、多言語機能を付与することで、日本語が苦手な方にも活用いただくことが可能となっております。

 また、県がアプリを導入することにより、県内全ての市町村で利用いただけるものとなってございます。

 既にこのアプリを導入している都県におきましては、外国人や視覚に障害のある方のほか、小さな文字が見えにくいご高齢の方の活用も図っていると承知しているところでございます。

 一方、こうしたアプリや様々な情報伝達手段を多くの方々に活用していただくためには、その周知が必要となりますことから、市町村をはじめ国際交流協会や視覚障害者協会等の関係団体に加え、外国人コミュニティなどで活躍する「IBARAKIネイティブコミュニケーションサポーター」を通じて働きかけるなど、様々な方法で周知に取り組んでまいります。

 県といたしましては、災害発生時の人的被害を最小限に抑えるため、防災情報が入手困難な県民にも確実に伝達されるよう、防災情報伝達体制の充実に、引き続き取り組んでまいります。

【村本修司議員感想・要望】

  これまで、私を含め茨城県議会公明党として、様々な形でお願いしてきたことを実現下さるとのご答弁であり、真にありがとうございます。是非、県内全市町村が一緒に取り組めるよう更なるご尽力をお願いさせていただきます。

#茨城県議会 #日立市

全ての県民に防災情報を届けるための情報伝達体制の充実について

概要(要約)

近年、気候変動の影響により災害は激甚化・頻発化しており、人的被害を最小限に抑えるためには、県民一人ひとりが危険を感じた際に速やかに避難することが重要です。そのためには、平時からハザードマップ等で地域の災害リスクを把握するとともに、災害時には避難情報などを迅速に受け取れる環境を整えておく必要があります。

しかし、防災情報の多くは日本語で発信されているため、日本語に不慣れな外国人住民にとって理解が難しい場合があります。また、紙媒体のハザードマップが中心であることから、視覚障がい者など情報取得が困難な方への配慮も課題となっています。

そこで私は、言語や障害の壁を越えて、すべての県民に防災情報が確実に届く体制の整備を求めました。


執行部が約束・言及した主な事項

今回の答弁では、次の点について県として取り組む方向が示されました。

● 市町村と連携し、防災行政無線・SNS・メール・緊急速報メールなど多様な手段で防災情報を発信する体制を継続する

● 県の防災・危機管理ポータルサイトにおいて10言語で防災情報を発信している

● 「我が家のタイムライン」をやさしい日本語を含む11言語で提供している

● 外国人向けの多言語版防災ハンドブックの作成などを市町村と連携して進める

● 令和8年度予算で
 多言語・音声対応の防災スマートフォンアプリを新たに導入する

● このアプリでは
 - 位置情報に基づく災害リスク表示
 - 最寄り避難所の案内
 - 音声読み上げ機能

 などを提供し、外国人や視覚障がい者などにも利用可能となる

● 県が導入することで県内すべての市町村で利用できる仕組みとする

● 外国人コミュニティや関係団体と連携し
 アプリの周知・普及を進める


私の要望

災害時には、情報が届くかどうかが命を左右します。

外国人住民や視覚障がい者など、情報を受け取りにくい方々にも確実に防災情報が届くよう、今回示された新たな取組を県内全市町村で広く活用し、誰一人取り残さない防災体制の構築を進めていただくことを強く要望しました。