次期「茨城県総合計画」に向け、村本修司議員が提案

「未来を拓く新たな茨城づくり調査特別委員会」の答申まとまる

― 産業振興と地域交通で示した“現場からの視点”

茨城県政運営の指針となる「県総合計画」。その次期計画の策定に向け、県議会に設置された「未来を拓く新たな茨城づくり調査特別委員会」は、人口減少社会を見据えた93項目に及ぶ提言を盛り込んだ最終報告書を取りまとめました。
本報告書は、産業人材の育成や少子化対策、安心・安全な暮らしの確保などを柱に、これからの茨城県が進むべき方向性を示す重要な内容であり、15日の県議会本会議で報告されます。

この議論の中で、村本修司県議は「産業振興」と「地域公共交通」という、県民生活と地域経済の基盤を支える二つの分野について、現場の実感に基づく問題提起を行いました。
その提案は、最終報告書の中にも反映されました。

中小製造業に成果を“波及”させる産業政策へ

村本県議がまず指摘したのは、県の産業支援策の成果の「広がり方」でした。
県の指標では、新製品開発や新ビジネス創出の件数は着実に伸びており、一定の成果を上げています。しかし、その成果が一部の企業にとどまり、県内全体の中小製造業へ十分に波及していないのではないかという懸念を示しました。

村本県議は、開発できる企業を増やすことに加え、開発された製品や技術を県の有力な産業へと育てていく視点が、次期総合計画には不可欠だと訴えました。単なる件数の積み上げではなく、成果がどのように県内へ広がり、地域経済を底上げしているのか。その波及効果を測れる指標や政策が必要だという提案です。

この指摘は、最終報告書において「新産業の創出・育成は県全体の稼ぐ力を高めるために重要であり、成果を中小製造業全体へ広く波及させ、県の有力な産業に育てていく必要がある」と明記されました。あわせて、波及効果を測る指標や政策を設定すべきだという考え方も盛り込まれています。

最先端だけでなく、地域に根差した「ものづくり」を守る視点

さらに村本県議は、宇宙や医療といった先端分野に限らず、地域経済を支えてきた既存のものづくり企業への支援の重要性を強調しました。
茨城県は最先端の研究機関が集積する一方で、長年地域に根を張り、雇用と産業を支えてきた中小製造業が数多く存在します。そうした企業の実態に寄り添い、県民に理解される計画と目標を掲げることが重要だという問題提起です。

この点も最終報告書では、「最先端科学技術を活かした新産業創出」と並んで、「地域社会に密着し地域経済を支える既存のものづくり企業への支援を強化する必要性」が明確に位置づけられました。茨城県の強みを二層構造で捉える視点が、計画に反映された形です。

地域交通は“市町村任せ”にしない

もう一つ、村本県議が強く訴えたのが地域公共交通のあり方です。
バスの減便や廃止、高齢者の免許返納による移動手段の喪失など、地域交通を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。地域内交通は市町村が担うのが基本とされてきましたが、「それだけで本当に県民の足を守れるのか」というのが村本県議の問題意識でした。

村本県議は、総合計画こそが県としてのビジョンを示す場であり、県がより積極的に関与すべきだと指摘しました。
特に、DXや生成AIなどの先進技術については、市町村任せにするのではなく、県が主導して導入し、地域公共交通の維持・確保に生かすべきだと訴えました。総合計画を地域公共交通計画の上位計画として位置づけ、そこに明確な方向性を示すべきだという提案です。

この問題提起も最終答申に反映され、「地域の実情に即した市町村対応を基本としつつ、県が広域的な視点から関与し、DXや生成AIなどのデジタル技術を主導して導入することで、地域公共交通の先進県を目指す必要がある」と明記されました。

現場の声を、計画に反映させるために

次期茨城県総合計画は、これからの県政運営の“羅針盤”となるものです。
村本修司県議は、数字や理念だけでなく、現場の実感に根差した課題を丁寧に掘り起こし、「成果をどう広げるか」「県として何を担うのか」という視点から具体的な提案を重ねてきました。

人口減少という大きな課題に直面する今だからこそ、産業も交通も、誰一人取り残さない視点が求められます。
今回の最終報告に反映された村本県議の提案は、その第一歩と言えるのではないでしょうか。今後も、県民の声を県政に届ける役割を果たしていきます。