支援を必要とする人に、きちんと届く県政へ ― 保健福祉医療委員会での質疑報告

12月9日、茨城県議会の保健福祉医療委員会が開かれ、村本修司議員が県の保健・福祉・医療施策について質疑を行いました。
県民の暮らしに直結するテーマばかりです。主なやり取りの内容をご報告いたします。
まず取り上げたのは、生成AIを活用した福祉サービス検索のあり方です。福祉制度は年々複雑化しており、障害のある方や生活に困難を抱える方ほど、「自分がどの制度を使えるのか分からない」「どこに相談すればいいのか分からない」という壁に直面しています。本来、支援を必要とする人ほど制度にたどり着きにくいという現状は、看過できません。
そこで村本議員は、困りごとや家族構成、生活状況などを入力することで、複数の制度を横断的に検索できる生成AI型の福祉サービス検索の導入を提案しました。県からは、個人情報の扱いや制度の正確性などに配慮しつつ、先行事例を調査しながら慎重に検討していくとの答弁がありました。デジタルの力で「制度を探す負担」を減らすことは、これからの福祉行政に欠かせない視点だと考えています。
次に、県央地区の医療を支える6病院の再編について質問しました。県立の2病院に加え、公的4病院も含めた再編は、地域医療を維持していくうえで極めて重要な課題です。特に、病院施設の老朽化が進む中で、将来を見据えた対応を先送りすることはできません。
村本議員は、単なる役割分担の整理にとどまらず、県が主体的に関与し、明確なスケジュール感を持って議論を進める必要性を指摘しました。県からは、現在ワーキンググループで検討を進めているとの答弁がありましたが、地域医療は一度崩れると立て直しが困難です。引き続き、現場の声を踏まえながら、実効性のある対応を求めていきます。

三つ目は、福祉医療センターへの支援についてです。福祉医療センターは、障害児・障害者医療の中核を担う重要な存在であり、専門性の高い人材とチーム医療が不可欠です。一方で、慢性的な人材不足や職員の負担増が課題となっており、現場への継続的な支援と的確なアドバイスが求められています。
こうした現状を踏まえ、人材確保と離職防止に向けた具体的な支援策を強く要望しました。県は、ICT導入への補助や処遇改善加算の活用支援を通じて、働きやすい環境づくりに努めていくと答弁しました。支援を必要とする子どもやご家族が安心して医療を受けられる体制を守るためにも、実効性ある支援が重要です。
今回の委員会では、デジタル技術の活用、地域医療の将来像、そして障害福祉医療の現場支援と、いずれも今後の茨城県にとって避けて通れない課題が議論されました。県民の皆さまの「声にならない困りごと」に光を当て、制度や仕組みにつなげていくことが、議会の役割だと改めて感じています。これからも現場の実情を丁寧に受け止めながら、誰一人取り残されない保健・福祉・医療の実現に向けて取り組んでまいります。
