令和5年 第二回定例会 予算特別委員会での質疑 「対話型生成AIを活用した観光振興について」

1 対話型生成AIを活用した観光振興について

(1)AI茨ひよりの導入経緯、成果、課題など

【村本しゅうじ議員質問】

 初めに、対話型生成AIを活用した観光振興についてお伺いいたします。

まず、AI茨ひよりの導入経緯、成果と課題などについて伺います。

 昨年11月に公開された対話型生成AI ChatGPTについては、本年の1定の本委員会でも取り上げましたが、それ以後も凄まじい進化を遂げており、マスコミで取り上げられない日はないほどです。

 そうした中で、その活用に乗り出す自治体も出始めており、茨城県においては、いち早く茨城県公認Vtuber茨ひよりにChatGPTを組み込んだ「AI茨ひより」、親しみを込めて「AIひよりん」と呼ばせていただきますが、「AIひよりん」を千葉市の幕張メッセで開かれたニコニコ超会議2023に登場させて、来場者と対話させるなど積極的に活用していると伺っています。

 知事も、AIひよりんに「茨城県の魅力度ランキングを46位から1位にするにはどうしたらいいか?」と質問されたそうですが、AIひよりんは、「この質問はごじゃっぺですね」とかわされるなど、その可能性と課題を実感されたのではないでしょうか。

 また、現地では、茨城県の観光について、AIひよりんに聞いたところ、全く存在しない観光地を案内したため、県の職員が訂正する場面もあったと伺っています。

 そこで、今回のAIひよりんの導入経緯、ニコニコ超会議2023における成果と課題、そして所感を知事にお伺いいたします。

【大井川知事答弁】

 お答えいたします。

 県では、これまで、茨城県の魅力を県内外に発信するため、様々な方法で戦略的なPRを展開してまいりました。

 こうした中で、今回、各分野の最先端技術やユニークな取組が披露される大型イベント「ニコニコ超会議2023(にせんにじゅうさん)」において、話題となっている会話生成(せいせい)AI「チャットGPT」を活用した「AI茨ひより」を運用し、対話を通じて県の魅力を発信することといたしました。

 「AI茨ひより」は、「チャットGPT」やAI音声対話システムなどを連携し、茨ひよりのキャラクター性を再現したうえで、音声対話を可能にしたものでございます。

 イベントでは、「AI茨ひより」が注目を集め、多くの来場者が会話を楽しみ、好意的な感想が聞かれたほか、テレビをはじめ多数のメディアで取り上げられるなど、大きな反響を得たところでございます。

 加えて、こうした最先端技術をいち早く取り入れる本県の姿勢も大いにPRできたものと考えております。

 私も実際に、ニコニコ超会議で「AI茨ひより」と来場者の会話を見てまいりましたが、観光地や県産品など本県の魅力をしっかり発信しており、今後の活用の可能性を感じたところでございます。

 一方で、「AI茨ひより」が回答する際には、職員の訂正などが必要な場面もあり、回答の正確性や、処理時間などに課題もございました。

 今後、こうした課題を整理できれば、活用の幅が広がるのではないかと考えております。

(2)AI茨ひよりの観光振興などへの活用

【村本しゅうじ議員質問】

 次に、AIひよりんの観光振興などへの活用について伺います。

 AIひよりんには、著作権や質問した際の回答の正確さ等の課題がありますが、この対話型生成AIは、現在人類が抱えている社会的課題の解決のゲームチェンジャーとなりえる大きな可能性を秘めており、課題を注視しつつ、積極的に使っていくことが重要であると思っております。

 こういった観点から、先ほどの課題に配慮しながら、茨城県の観光促進などにこのAIひよりんを活用すべきであると考えます。

 情報の正確さに関しては、茨城県の情報を追加学習させ茨城県用にカスタマイズすることで精度向上が図れますし、そもそも正確でない旨を注意して使ってもらうことも面白いのではないかと思います。

 また、働き方改革の中においても、このAIひよりんは、24時間365日一生懸命茨城県のために働いてくれるというメリットもあります。

 観光誘客は、認知度を上げ、リピーターを増やすことが重要であります。その認知度を上げるには、全国初となる対話型生成AIを使った試みを活かして、AIひよりんを県のホームページに実装し、県の魅力を発信していただきたいと思います。

 さらに、今年は、茨城県において、デスティネーションキャンペーンが実施されます。まさにAIひよりんの鮮烈なデビューによりデスティネーションキャンペーンを盛り上げられたらと思います。

 そこで、AIひよりんの観光振興などへの活用について、知事にお伺いいたします。

【大井川知事】

 お答えいたします。

 「AI茨ひより」の今後の活用にあたりましては、先ほど申し上げたような課題があり、現在、今回のニコニコ超会議での改善点を整理するとともに、会場で実施したアンケート調査の分析などを行っております。

 今後、その結果を整理し、「AI茨ひより」の回答の正確性や対応速度などを改善してまいりたいと考えております。

 このため当面は、職員などがフォローできる、イベントへの出展やいばキラTV(ティービー)での生(なま)配信などにおいて活用してまいります。

 将来的に、「AI茨ひより」が単独で稼働できれば、時間的・物理的な制約がなくなり、その活用の幅はさらに大きく広がるものと考えております。

 例えば、県有施設や観光施設での案内、ホームページやメタバース空間でのプロモーションなど、様々な活用が考えられます。

 県といたしましては、今後「AI茨ひより」のシステムの精度を高め、観光振興や魅力発信においてどのように活用できるのかしっかりと検討してまいります。

【村本しゅうじ議員要望】

 対話型生成AI ChatGPTは英語の方が得意であり、他の言語にも対応できると聞いております。今後は、海外のインバウンド対応できるように多言語化することで、県の観光振興に有効なツールとなると思います。

 茨城県庁の優秀な営業マンとしての更なる活躍を期待します。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市