令和5年 第二回定例会 予算特別委員会での質疑 「新産業廃棄物最終処分場の整備について」

(1)基本設計の内容と実施設計の検証方法

【村本しゅうじ議員質問】

 次に、新産業廃棄物最終処分場の整備について伺います。

 まずは、基本設計の内容と実施設計の検証方法などについて伺います。

 これまでに、新産業廃棄物最終処分場の整備として、基本計画が令和4年4月に策定され、これを受けて、基本設計が本年3月に取りまとめられました。

 今年度は、事業主体である茨城県環境保全事業団が生活環境影響調査及び実施設計を行い、事前審査、設置許可を経て建設工事に着手する予定であると公表されています。

 そこで、これまでに作成が完了した基本設計の内容及び公表方法と実施設計の検証方法について、県民生活環境部長にお伺います。

【県民生活環境部長答弁】

 新処分場の基本設計につきましては、基本計画を踏襲した上で、より具体的な施設配置や、最終処分場を構成する主要施設の規模、構造を検討いたしました。

 安全性などに関する考え方には変更はございませんが、埋立地、浸出水調整槽、防災調整池などの施設面積、容量を一部見直しをしております。

 また、基本設計の内容を日立市民の皆様に広くご理解いただけるよう、イメージパースを含め、各施設の役割や設計内容、整備スケジュールを盛り込んだ概要版を作成し、新聞折り込みや学区コミュニティへの配布などにより広報・啓発をしてまいります。

 次に、実施設計につきましては、現在、事業主体である茨城県環境保全事業団において進めているところであり、基本設計を基に、安全かつ確実に施工していくための詳細な設計資料を作成していくこととしております。

 また、建設工事における施工方法や施工管理方法について、専門家に検討していただく仕組みをつくり、安全性の高い施設整備に向け、しっかりと対応していきたいと考えております。

 県といたしましては、安全な施設となるよう、茨城県環境保全事業団と連携し、整備の進捗に応じた情報発信にも努めながら、着実に最終処分場の整備を進めてまいります。

(2)環境保全に関する協定締結及び環境保全委員会設置に向けたロードマップの明確化

【村本しゅうじ議員質問】

 次に、環境保全に関する協定の締結及び環境保全委員会設置に向けたロードマップの明確化についてお伺いします。

 日立市民、特に立地地元である諏訪地区の皆さんは、施設は安全な設計となっているか。環境保全は大丈夫か。工事中の安全対策は十分か。新設道路はいつできるのか。地域振興は住民の意見を反映してもらえるのだろうか。と候補地公表当初より不安を抱え、事実に基づいて判断し、建設的な提言をしようと努力をされてきました。

 その中でも、建設期間約3年、埋め立て終了まで最長23年、生活環境に支障を生ずるおそれが無くなり、廃止されるまでの維持管理期間推定約20年と約46年の長きに渡る期間中における環境保全への住民参加に大きな関心を持っています。そして、廃止後も地下に廃棄物が残る施設の環境保全に対して住民が関与していくのは当たり前のことだと思います。

 このような市民の声を伺い、私も昨年の第3回定例会の一般質問でも環境保全に関する4者協定締結の必要性を訴え、知事からは、「現処分場のエコフロンティアかさまにおいては、県、事業団、市、地元住民の4者により、地域振興及び環境保全に関する協定を締結している。新処分場においても、協定等を締結する必要があると考えている。今後、関係者の意向を踏まえ、内容等について調整していく。」との答弁をいただいております。

 しかし、その締結に向けたロードマップですら、未だ明確に公表されていないと認識しています。

 このような背景から、諏訪学区コミュニティ推進会環境保全委員会では、自分たちで一から勉強して、その成果として「環境保全に関する協定書(案)」を作成しました。また、先日6月4日に地域住民向けの勉強会を開催し、約50名の方が参加しました。

 この勉強会で示された、協定書案の第1条の目的には、「地域住民が誇りをもって暮らし続けられる環境を維持・向上し将来世代にも受け継いでいくことを目的とする。」とあります。

 このような市民の思いを受け止め、不安を解消するためにも、引き続き環境保全に関する4者協定締結及び環境保全委員会設置に向けて、県がリーダーシップを発揮していただきたいと考えますし、せめて明確なロードマップを早急に提示する必要があると考えます。

 そこで、環境保全に関する協定締結及び環境保全委員会設置に向けたロードマップの明確化について県民生活環境部長にお伺いいたします。

【県民生活環境部長答弁】

 お答えいたします。

 新処分場の整備及び運営を円滑に進めていくためには、地域住民の皆様のご理解とご協力が不可欠であると認識をしております。

 また、本年3月に新処分場の基本設計が完了し、今後、着工に向けて、具体的な整備内容が決まっていく中、住民の皆様の関心がより高まっていくものと考えております。

 こうした中、先日、整備計画地周辺のコミュニティであります諏訪学区内の環境保全委員会が環境保全に関する協定案を作成し、勉強会を開催されたことについては承知をしております。

 委員ご指摘のとおり、最終処分場は、建設、埋立、埋立終了後の維持管理まで長期間にわたる事業であり、その間における運営・管理にあたっては、環境への配慮はもとより、周辺住民の皆様とのコミュニケーションが大変重要であると考えております。

 そのため、処分場の運営や環境保全に関する責任の所在、情報共有の体制づくりなどを明確にしておく必要があると認識しております。

 環境保全対策の検討につきましては、現在、茨城県環境保全事業団において周辺環境への影響の予測・評価の検討が行われており、8月までに結果がまとまる予定であります。

 その結果を基に、現処分場と同様、環境保全委員会を設置し、モニタリングなどの環境保全に関する計画を検討していくこととなります。

 この環境保全に関する計画については、委員ご指摘の協定の内容に密接に関係するものでありますことから、環境保全委員会における検討と並行して、協定の枠組みや時期等を明確にしてまいりたいと考えております。その中で地元住民の皆様の意見を反映する仕組みについても検討してまいります。

 また、モニタリングなどの環境保全対策のほか、関係者間の基本的役割や廃棄物の処理体制、万一の事故発生時の措置などの事項について当事者間で合意を形成する必要がありますことから、県、茨城県環境保全事業団が中心となり、日立市とも調整した上で、協定案を作成していくものと考えております。

 県といたしましては、地域住民の皆様のご理解をいただきながら、地域共生が図られた施設整備・運営に努めてまいります。

【村本しゅうじ議員要望】

 県では、これまでも、住民説明会や地元に出向いての対話など、市民の声を聴く努力をしてくださっています。そして、すべてではないかもしれませんが、新設道路の建設などその声を反映しているものもあります。是非4者協定も地元の声を反映してください。

 今後とも地元と対話を宜しくお願いいたします。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市