いじめの早期解決と被害児童生徒に寄り添う継続的支援体制の構築について【令和8年 第一回定例会 一般質問】
※最下部に要約があります。
【村本修司議員質問】
いじめの早期解決と被害児童生徒に寄り添う継続的支援体制の構築についてお伺いします。
いじめは決して許されない身近な問題であり、発生した際の早急な対応が何より重要です。被害側の視点に立てば、対応の長期化は心の傷を深くし、取り返しのつかない事態を招く懸念があります。
また、報道によれば、学校側がトラブルを把握しながら「いじめ」と認知できず、重大事態に至るケースが約1割に上るとされています。
この背景には、慎重な事実認定が必要で被害者の申し出だけでは結論付けることが出来ないことや組織の論理も入ることも可能性としてはあり得ます。また、法律上の事実認定の手順遵守や教職員自身と被害者やその保護者とによる感情的なもつれなどが、迅速な初動を妨げているものと推察します。
ある専門家にお伺いした話では、「いじめの加害者と思われる生徒は、元の生活に戻れるが、被害者は支援体制が整っていないので、復帰が難しく、元の状態に戻れないことの方が多い。また、対応が長期化している間の学習支援やフリースクール、転校などの選択肢の提示をしてほしかったとの声がある」とのことでした。このような現場の声に対して、ひとつひとつ対策をしていただきたいと思います。
現在は、主に学級担任や学校の管理職が対応を担っていますが、客観的かつ早期の解決を図るためには、利害関係の薄い第三者の関与が不可欠だと考えています。そこで、学年やクラスの枠を超えた「いじめ担当教諭」の配置によるいじめ対応スキルの集積化、マニュアル化や、外部の「いじめアドボケイト」の導入、更には行政部局がいじめ対策に関与する「八尾市モデル」を参考に、被害者がより声を上げやすく、かつ客観的な調査が機能する環境を整えるべきではないでしょうか。
加えて、見過ごせない課題が「卒業の壁」です。当事者の卒業や教職員の異動により、調査やケアが雲散霧消し、被害者が救われないケースが散見されます。例え重大事態でない案件であっても、被害生徒の苦しみは卒業をもって終わるものではありません。調査が長引き、学校側が「もう関係ない」という空気になれば、被害者は永遠に救われません。
以上を踏まえ、第三者の積極的な活用を含めたいじめの早期解決のための取組と、卒業後も被害生徒に寄り添い続ける継続的な支援体制の構築について、教育長のご所見を伺います。
【教育長答弁】
県では、いじめを「しない、させない、ゆるさない」という理念のもと、未然防止をはじめ、早期発見、早期対応に取り組んでいるところでございます。
具体的には、スクールロイヤーを活用した未然防止教室を実施したり、児童生徒が電話やラインなどで相談できる相談窓口などを設置しており、早い段階で把握し、円滑な対応を行っております。
また、文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、いじめ発見のきっかけは、校内のアンケート等からの発見が4割以上を占めていることから、児童生徒が希望する教員に相談できる「校内オンライン相談窓口」を2022年度から設置しております。
当初は小中学校のみの設置でしたが、現在は、高等学校まで設置が広がっており、悩みを抱える児童生徒の相談が増加してきております。
さらに、いじめの見逃しをゼロにするため、教員一人一人が適切ないじめの対応を行えるよう、今年度新たに「いじめ認知リーフレット」を作成いたしました。
リーフレットでは、見逃しやすい事例を挙げ、対応方法をフローチャートで表示するとともに、「チーム学校」として多くの目で事案を見ることの重要性を説明しており、これを活用して職員研修を行っております。
研修を行った学校からは、「いじめ対応に関する教員の意識が向上した。」や「いじめの定義や判断基準について共通理解を深められた。」との肯定的な意見が寄せられており、組織としてのいじめの認知が進み、重大化防止につながっております。
加えて、2月12日には臨時の県立高校校長研修会を開催して、これまでに報告のあったいじめの事案の中から、被害が重大化した事例を説明し、グループ協議を行ったところ「改めて初期対応の大切さを理解できた」という感想が多くあり、校長のいじめ対応に係る意識を高めることができました。
議員からご意見のありました、「利害関係の薄い第三者の関与」につきましては、警察や公認心理師、弁護士など様々な外部人材による児童生徒への支援を行っております。
具体的には、警察官OBや公認心理師などを、「いじめ解消サポーター」として、学校へ派遣し、児童生徒からの相談に応じたり、授業などの活動に参加して、いじめを抑止するなど、いじめの解消に向けて取り組んでいるところでございます。
また、法令に基づき、適切な対応を行えるよう、スクールロイヤーによる法務相談を実施しております。その結果、解決の糸口が見つかる等の成果が出ているところですが、今後もさらに、第三者の協力をいただくことが重要と認識しております。
そのため、このような様々な取組を、より一層充実させるとともに、大阪府八尾市のような、教育委員会と首長部局の情報共有や連携協力など、他自治体の取組についても、情報収集をしっかり行ってまいります。
なお、「卒業の壁」につきましては、被害児童生徒が卒業という節目を迎える前に調査が終わるように、できる限り対応しているところでございますが、卒業後であっても、法令に基づき、校内の情報共有を徹底し、被害児童生徒の今後を何より優先して考え、引き続き寄り添った対応に努めてまいります。
県といたしましては、いじめによって苦しむ児童生徒が出ないように、全ての教職員の理解をさらに深め、今後とも、子どもたちの安心・安全を最優先に、いじめの早期発見と早期対応に全力で取り組んでまいります。
【村本修司議員再質問】
いじめ被害者からすると、学校、市町村教育委員会、県教育長など関係機関の役割を明確に把握できておらず、追い詰められた精神状態の中で、混乱することが多々あるのではと思われます。特に卒業の壁では、その傾向が顕著ではないでしょうか?その対策には、当該のいじめへの対応が卒業後となる場合は、いじめ対策室が窓口となって、最後まで被害者へ寄り添う必要があると思いますが、教育長にご所見を伺います。
【教育長再答弁】
ただいまご質問いただきました卒業の壁、卒業後に調査が継続している場合の対応も含めたところでございますが、先ほど答弁でも触れさせていただいたところではあります。
実際にいじめが起こった時期、認知してその後、重大事態調査というような形で進んでいった際に、当然、卒業までに解決できることが一番いいわけですが、そうではなくて、卒業後も調査が続くケースというのは当然ございます。
その場合に、調査の対応についてその学校だけで対応していくというのは、状況によって非常に難しい場合というのが当然ございます。
そういった際には、いじめの調査に関する情報も含めてですけど、県教育委員会の担当部署「生徒支援・いじめ対策推進室」、そして市町村教育委員会の担当部署、そして学校、市長部局等も含めて情報共有を、当然ですが、現在も行って対応を丁寧にしているところではございます。 実は立場の異なる様々な部署で情報共有を正確に行って連携して対応していくということは非常に重要であると認識をしておりますので、今後も引き続き県の教育委員会の生徒支援・いじめ対策推進室として市町村の関係各所、そして学校としっかりと正確な情報を共有し、連携し、支援し、さらに適切な指導、助言に努めてまいります。
#茨城県議会 #日立市
以下ChatGPTによる要約です。
いじめの早期解決と被害児童生徒に寄り添う継続的支援体制の構築について
概要(要約)
いじめは決して許されない問題であり、被害児童生徒の立場に立てば、対応の長期化は心の傷を深くし、取り返しのつかない事態につながる恐れがあります。
また、学校がトラブルを把握していながら「いじめ」と認知できず、重大事態に至るケースが一定数存在するとの報道もあります。
現場では、
- 事実認定の難しさ
- 法令上の手続き
- 教職員と保護者の感情的な対立
などが重なり、迅速な対応が難しくなる場合があります。
さらに、専門家からは
「加害側は元の生活に戻れるが、被害者は支援が十分でないため復帰が難しい」
との指摘もあります。
そこで私は、被害者に寄り添った対応を強化するため、次の点を提案しました。
- 学年やクラスを超えて対応する**「いじめ担当教諭」の配置**
- 外部の専門家による第三者(いじめアドボケイト)の関与
- 教育委員会と行政部局が連携する八尾市モデルのような体制の検討
また、見過ごせない課題として、
卒業や教職員の異動により調査や支援が途切れてしまう「卒業の壁」を指摘し、
卒業後も被害生徒に寄り添う継続的支援体制の構築を求めました。
執行部が約束・言及した主な事項
今回の答弁では、次の点について県として取り組む姿勢が示されました。
● いじめの未然防止・早期発見・早期対応を引き続き重要施策として推進する
● スクールロイヤーを活用した未然防止教育や相談体制の充実を進める
● 電話やLINEなどによる相談窓口の整備・運用を継続する
● 児童生徒が教員に相談できる校内オンライン相談窓口を小中高で運用する
● 教員の認知力向上のため**「いじめ認知リーフレット」を活用した研修を実施する**
● 警察OBや公認心理師などの**「いじめ解消サポーター」の派遣を継続する**
● スクールロイヤーによる法務相談を活用し、いじめ対応の適切化を図る
● 八尾市のような教育委員会と首長部局の連携事例について情報収集を行う
● 卒業後も調査が継続する場合は
県教育委員会・市町村教育委員会・学校などが情報共有し対応する
● 県教育委員会の「生徒支援・いじめ対策推進室」を中心に関係機関と連携して対応する
私の要望
いじめ被害者にとっては、学校、市町村教育委員会、県教育委員会などの役割が分かりにくく、精神的に追い詰められた中でさらに混乱するケースも少なくありません。
特に、**卒業によって問題が終わったかのように扱われる「卒業の壁」**は、被害者にとって大きな課題です。
被害児童生徒の苦しみは卒業で終わるものではありません。
県として、関係機関が連携しながら最後まで寄り添い続ける支援体制を構築するよう、引き続き強く要望しました。
