「避難所としての学校の避難所運営支援マニュアル整備」 令和6年 第一回定例会 予算特別委員会

 避難所としての学校の避難所運営支援マニュアル整備についてお伺いします。

 常に優先すべきは人命であり、平時から、できうる限りの発災時の備えを実施していくことは重要です。

 発災時には、学校は本来、児童生徒等の安全を確保するとともに、学校教育活動の早期再開に取り組むこととなりますが、発災直後は、教職員の協力を得て、迅速に避難所を開設することが求められます。

 特に、高齢者や障がい者、妊産婦・乳幼児などの要配慮者のうち、日常生活に一部介助や見守りが必要な方に対しては、個室としての機能を持つ「教室」等を避難所場所として活用する必要があります。

 また、避難所運営は一義的には市町村の防災部局等がその役割を担っているところですが、災害時に避難所としての役割を果たす各学校においても、災害が発生した場合に備え、避難所の運営に必要なことを、防災部局とも協議しながら事前に決めておくことが大切ではないでしょうか。こうした中、各学校では「学校避難所運営支援マニュアル」を作成していると伺いました。

 そこで、迅速かつ適切な避難所運営のために、

 校長等の不在の場合も想定した、災害発生初期の運営支援体制及び手順

 避難所として開放するスペース等の利用計画

 などについて、マニュアルへ明記を徹底すべきであると考えます。

 また、教室内の子ども達の私物の管理が課題となるようであれば、鍵付きのロッカーの整備を実施すべきだと思います。

 避難所としての役割を果たす学校として、事前にしっかりとその対応策を検討し、準備しておいていただきたいと思います。

 そこで、避難所としての学校の避難所運営支援マニュアル整備について、教育長に伺います。

【教育長答弁】

(避難所の役割)

 災害発生時に学校を避難所とする場合において、その運営については、市町村の防災担当部局等がその役割を担うものでありますが、大規模災害発生時の初期段階では、市町村職員による対応が困難な場合も想定されますことから、発生から一定期間は、教職員の協力のもと、初期避難者となる地域住民と共に、避難所の運営を行うことも予想されます。

(県の取組)

 そのため、県では、2017年に作成した「学校避難所運営支援マニュアル作成の手引き」を市町村に配布して、避難所開設・運営に係る初動体制について、学校と市町村の防災担当部局等が事前に協議し、学校独自のマニュアルを作成するよう指導しております。

(手引きの内容)

 作成の手引きでは、災害発生後、速やかに、「学校災害対策本部」を設置し、児童生徒の避難や安全確保を図るとともに、避難誘導班の教職員が、地域住民を安全に避難場所へ誘導することとしており、本部長の校長が不在の場合は、教頭等を職務代行者として対応することも明示しております。

 また、避難者の居住スペース、学校関係者と避難者との共有場所、職員室や保健室など学校を管理する上で重要な教職員の占有場所を明確にレイアウト図で示した学校施設利用計画を策定することとしております。

 その中で、高齢者や障害者、乳幼児などの特別な配慮が必要な避難者のため、換気がよく、トイレや救護スペースに近く、静かな教室などに専用の居住場所を設けることとしています。

(県のはたらきかけ)

 先日の能登半島地震では、多くの学校が避難所として開設され、体育館の他、教室なども重要な役割を果たしていることから、今後も様々な場面を想定した、より実効性のあるマニュアルとなるよう各学校へ働きかけてまいります。

(私物の管理について)

 なお、居住場所として教室を使用する際の子供たちの私物の管理についてでございますが、他県などの例を見ますと、私物を一箇所にまとめ、シートを被せて目隠しをしたり、使用しない普通教室は施錠するなどの対応を示しているところもございますので、議員ご指摘の鍵付きロッカーの整備につきましては、その必要性も含め、研究してまいります。

(まとめ)

 県といたしましては、突然の災害時に、学校が避難所としての役割を果たすため、平時から市町村の防災担当部局等と連携し、マニュアルの定期的な見直しを行い、迅速かつ適切な対応ができるよう、各学校に働きかけてまいります。

【村本しゅうじ議員再質問】

 手引きを配布していただき、マニュアルの整備の指導を行っていただいているというご答弁であったと思います。

 最後に、マニュアルができて、それが必須。

 災害時に、実際に、動けるそういったマニュアルであること、またそれが周知されていることが非常に重要だというふうに認識をしております。

 県の立場として、マニュアルの手引きの配布マニュアルの指導というところだとは思いますが、まず、各学校ベースでそのマニュアルが十分なものとなっているかどうかの調査をしていただきたいと考えておりますが、その点についてはいかがでしょうか。

【教育長答弁】

 各学校におきましては、このマニュアルに基づいて、市町村と連携しながら、地域の方々などと、実際に避難訓練等も実施しているところでございます。

 そう言った状況も踏まえまして、今後、各学校において、そのマニュアルが実効性のあるものとなっているかなどについても、しっかりと検証してまいりたいと思います。

【村本しゅうじ議員質問要望】

 教育現場はやはり教育をすることがメインの仕事となるというのは重々承知をしておりますが、多くの小中学校が避難所として指定されているという現実をかんがみたときに、学校も防災の機能を十分に発揮する必要がある。

 またこれからもさらにそれを強化していかなければならないということを強く感じております。

 そういった意味では、学校の校長先生教頭先生を初め、教員の皆様も防災に対する意識をより一層持っていただきながら、現場での実効性ある防災につなげていただきたいと思います。

 先ほど教育長もおっしゃいました。

 ぜひ、防災のプロである、防災危機管理部の皆さんのお力をお借り、してですね、県民の命最優先とする対応をお願いをしたいと思います。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。

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