40周年を迎えた「ピッピコンサート」に寄せて

8月30日、日立市で「第16回 40周年ピッピコンサート」が開催されました。
みなさん、この歴史あるコンサートをご存じでしょうか。1985年に始まって以来、障がいのある方やそのご家族が綴った詩に、ボランティアのスタッフが曲をつけ、朗読や歌として披露してきた取り組みです。今年は7年ぶりの開催で、節目の40周年を迎えました。
今回も市内外から多くの作品が寄せられ、その中から入選した詩にメロディーが添えられ、手話を交えながら心を込めて発表されました。詩の一つには、母を亡くした思いを綴ったものがあり、朗読を通じて「会いたい」「ありがとう」という切実な気持ちが、聴く人の胸にまっすぐ届きました。会場にいる誰もが、言葉や音楽の持つ力を改めて感じたのではないでしょうか。

創設メンバーの小又克也さんは「当事者が主役になれる舞台」と語っておられました。障がいの有無に関わらず、誰もが自分の思いを表現し、それを受け止め合う場があることは、まさに共生社会の象徴だと思います。40年という積み重ねが、多くの人の心を動かし、社会のあり方を考えるきっかけを作ってきたのだと感じました。
スタッフはすべてボランティアで、裏方として支える方々の献身があるからこそ、この舞台は続いてきました。出演者と観客、そして支える人たちが一体となって作り上げるコンサートは、ただの音楽イベントではなく、社会全体に大切なメッセージを投げかけています。
私自身もこの場に立ち会い、人と人が支え合うことの尊さを改めて心に刻みました。来年の開催も今から楽しみにしていますし、行政としてもこうした取り組みを支え、より多くの人に広げていく努力が必要だと感じています。
40年の歩みを重ねたピッピコンサート。ここからまた新しい一歩が始まります。
次回はぜひ皆さんも会場に足を運んでください。
