「県北振興策「チャレンジプランNEXT」の推進について」

令和6年 第二回定例会 一般質問

【村本しゅうじ議員質問】

 初めに、県北振興策「チャレンジプランNEXT」の推進について、知事にお伺いします。

 県北振興チャレンジプランは、策定から5年が経過した本年3月末に「チャレンジプランNEXT」として改定され、「県北からはじまる活力があり、持続可能な地域の実現」と題して県北振興への新たなチャレンジが始まりました。

 これまでも、県北チャレンジプランとして、県が主体となった全国でも珍しい起業・複業型の地域おこし協力隊の推進や常陸国ロングトレイル整備、アイデアソン開催など、それまでになかった事業を展開し、県北の振興に寄与してきました。

 今回の改定の「チャレンジプランNEXT」では、昨年の第3回定例会の一般質問でも取り上げましたが、これまでの県北振興チャレンジプランとは違い、県北地域一括で捉えていた施策方針を改め、臨海部や山間部など地域特性に応じた施策体系への整理、そして、取組の進捗を測るための指標を定めるなど積極果敢な取り組みへと進化しており、特に、臨海部の「ものづくり企業の競争力の強化」には大変に期待しております。

 また、今回の改定作業に当たっては、県北の状況をデータに基づいて分析し、課題を抽出して改定されたと伺いましたが、EBPM、エビデンスに基づいた政策立案の典型例であると評価しております。

 このようにしっかりと目標を定めていただきましたので、次は具体的且つ効果的な事業の充実が必要であると思います。

 例えば、県北の魅力を世界に向けて仮想現実の中でアピールできるメタバースを活用したイベントや商談会の開催、そして、アイデアソンメンバーや地域おこし協力隊員のビジネスコンテストの開催、内閣府の行っているムーンショット目標のような研究開発制度、更に、県北の地産地消で内需を喚起するようなワクワクする事業の展開をお願いいたします。

 また、これまでチャレンジプランの関連予算も年々増加しているとお聞きしておりますが、シュリンクしつつある県北の振興を図ろうとするならば、鹿島開発とまでは言わないまでも、今後も国とも連携した相当な額の予算確保が必要となってくると思います。

 そこで、地域特性に応じた施策や定量的な指標設定などのチャレンジプランNEXTの改定の狙いや今後の具体的な事業の展開方針について、知事にお伺いします。

【大井川知事答弁】

 村本修司議員のご質問にお答えいたします。

 県北振興策「チャレンジプランNEXT」の推進についてお尋ねをいただきました。

 これまで県北振興については、「仕事づくり、にぎわいづくり、人づくり」を施策の柱として、ものづくり産業や農林水産業の振興、地域資源を活かした体験型観光の促進などに、部局横断で取り組んでまいりました。

 特に、世界的に著名なヨルダントレイルと常陸国ロングトレイルとのパートナーシップ協定締結や、都道府県としては最大規模で起業・複業型地域おこし協力隊を展開するなど、全国でも例のない取組を、強力に推し進めてきたところであります。

 一方、県北地域の将来人口は大幅な減少が見込まれるなど、依然として大変厳しい状況にあります。こうした状況下において、私たちは、過去の成功体験にとらわれず、現状を把握し、自ら考え仮説を立て、新しいことに果敢に挑戦していくことが求められております。

 本年4月に新たにスタートした「チャレンジプランNEXT」においては、県北地域の産業構造などをデータに基づき分析し、臨海部と山間部とでは異なる特性や強みに応じて、よりきめ細かに取組を展開していけるよう、施策の方向性を整理したところであります。

 具体的には、臨海部においては、LNG供給拠点である茨城港日立港区の脱炭素化を促進していくことにより、国際競争力の強化を図ってまいります。

 また、高度な技術を有するものづくり企業の集積を活かし、独創的なアイデアを持つ企業や研究機関とのマッチングを進めることにより、宇宙など成長分野において、革新的な技術や製品を生み出す協業を、一層促進するなど、企業の競争力強化を支援してまいります。

 加えて、経済のグローバル化の更なる進展を見越して、ジェトロ茨城との連携や、投資家とのマッチング機会の提供といった、海外展開を目指す企業と関係機関との橋渡しを強化するなど、事業拡大に意欲的な企業への支援にも取り組んでまいります。

 一方、山間部においては、付加価値の高い有機農産物や枝物などの生産拡大を図り、儲かる農業への構造転換を進めてまいります。

 更には、インバウンド需要を県北地域にも取り込んでいくため、里山の原風景などを活かした、ストーリー性のあるプロモーションなどを常陸国ロングトレイルにおいて展開するとともに、サイクリングなども活用して、国内外からの誘客を促進してまいります。

 また、人口減少の流れを抑制していくためには、魅力ある仕事や働く場を創出していくことが重要であります。引き続き、起業・複業型地域おこし協力隊として、東京圏から人財を呼び込むとともに、隊員が起こした事業の拡大支援に取り組み、若者を惹きつける新たな雇用の創出にもつなげてまいります。

 新プランでは、これらの取組の進捗を可視化するため、新ビジネス創出や雇用などの指標を新たに設定したところであり、PDCAに基づく評価と見直しを絶えず図ることで、効果的な施策の展開につなげてまいります。

 県といたしましては、チャレンジプランNEXTの下、地域内外の多様な力を結集させ、地域の主体的な活動を促し、県北地域の活力を一層高めるとともに、その成果を広く波及させていくことで、県北地域はもとより、県全体の発展を目指してまいります。

【村本しゅうじ議員要望】

 是非、成果が目で見えるチャレンジプランとしていただきますよう強く要望させていただきます。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。

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