障害者福祉の新たな拠点「あすなろの郷」が水戸市に誕生しました

6月26日、水戸市杉崎町において、県立障害者支援施設「あすなろの郷」の新しい施設が完成し、竣工式が行われました。私も県議会保健福祉医療委員会の一員として式典に出席し、この意義深い節目を見届けてまいりました。
あすなろの郷は、1973年の開設以来、長きにわたって県内障害者福祉の中核を担ってきた施設です。老朽化が課題とされてきましたが、このたび完成した新施設は、最重度の障害をお持ちの方々を重点的に受け入れる専門施設として再編・整備されました。
建物は、医療的ケアが必要な方のための病院機能付きの棟と、強度行動障害のある方々を受け入れる棟の2棟からなり、定員は合わせて250人。延べ床面積は1万8518平方メートル、総工費は117億7千万円という県の福祉政策の集大成ともいえる規模です。

私が実際に目にした新施設は、県産木材をふんだんに使った温もりある空間が広がっており、居室は全室電動ベッドを備え、従来の3倍の広さとなる9.9平方メートル。南向きにテラスを設けるなど、日差しがたっぷりと入り、入所される方々にとって快適な生活環境が整えられていました。
この施設の大きな特徴は、県と民間施設との役割分担を明確にしたことです。最重度の障害がある230人をこの新施設で受け入れ、それ以外の方々は既存の施設で引き続き生活いただけるよう、段階的な移行が進められます。これにより、福祉のすき間を埋める網の目のような支援体制が構築されつつあります。
竣工式では、大井川和彦知事をはじめ、国会議員や各級議会、県市町村会の皆さまも多数ご出席され、県としての力強い後押しを感じました。知事からは、「民間で支えきれない医療的ケアや重度行動障害のある方々を、県が責任をもってサポートできる体制が整った」と力強い言葉がありました。
私自身も、障害のある方々が安心して暮らせる地域社会の実現を目指して、これからも県議会の場で全力を尽くしてまいります。支援を必要とする方々一人ひとりが、その人らしく生きられるために。福祉の「最後の砦」である県立施設の使命をしっかりと果たしていけるよう、皆さまとともに歩んでいきたいと思います。