学びに壁があってはならない――リリーガーデン小学校の挑戦

4月14日、茨城県議会公明党として、水戸市内に新たに開校した「リリーガーデン小学校」を現地調査してまいりました。今回の調査には、高崎進県議、八島功男県議、そして私、村本修司が参加しました。
リリーガーデン小学校は、文部科学省が進める「学びの多様化学校」として、令和7年4月に開校したばかりの新しい教育の場です。生徒数は13名と小規模ながらも、一人ひとりの子どもが自分らしく学べる環境を整えた、可能性あふれる学校です。
「学びの多様化学校」とは、学校に行きたくても行けない、さまざまな事情を抱える子どもたちに対して、新たな学びの選択肢を提供することを目的としています。全国でもわずか58校しかなく、茨城県内ではこのリリーガーデン小学校が唯一の取り組みとなっています。
現在、全国の不登校の児童・生徒は30万人を超えると言われています。その現実を受け止め、茨城県教育委員会では文部科学省と連携のうえ、廃校となった校舎を再活用し、子どもたちの新たな学びの場としてこの学校を立ち上げました。
生徒たちは水戸市をはじめ、日立市や大洗町、笠間市、ひたちなか市など広域から通っており、学びの場としてのニーズの高さを感じさせます。私の地元・日立市からも通学している子どもがいることを知り、この取り組みが決して遠い話ではなく、地域の子どもたちにとっても大切な受け皿であると強く実感いたしました。
当日は、学校の先生方から教育内容や日常の取り組みについて丁寧なご説明をいただきました。特に印象に残ったのは、入学当初は校門の前に立つのがやっとだった生徒が、今では笑顔で農業体験に取り組んでいるというエピソードです。子どもたちが、自分のペースで少しずつ社会や学びに向き合っていく姿は、私たち大人に大きな希望を与えてくれます。
今、多くの自治体では「校内フリースクール」などの形で、不登校の子どもたちに対する支援を行っています。しかし、元の学校の枠組みに戻ること自体が、子どもにとって大きな負担となるケースも少なくありません。そうした現状を考えると、リリーガーデン小学校のように、既存の学校とは異なる“もうひとつの学びのかたち”を提供する場の必要性が、ますます高まっていると感じました。
「学びの場は一つではなくてよい」。その思いを胸に、子どもたち一人ひとりが安心して学べる環境を広げていくことこそ、私たちの責任だと考えます。
日立市を含む県北地域にも、同様の課題を抱える家庭が少なくありません。すべての子どもに学ぶ機会が保障されるよう、そして家庭の事情や心の状態に左右されず、子どもたちが未来を描ける社会となるよう、これからも全力で取り組んでまいります。
リリーガーデン小学校のさらなる発展、そしてそこに集う子どもたちの笑顔と成長を、心から応援しています。