国民一人ひとりに10万円/特別定額給付金の茨城県内支給率9割を超える

 全世界で猛威を振るい、日本でも事業や生活に深刻な影響を与える新型コロナウイルス。公明党は、国民の命と生活を守り抜くための政策実現に総力を挙げて取り組み、対策を大きく前進させてきました。 国民一人ひとりに10万円、特別定額給付金の支給率が、6月24日現在で茨城県内では9割を超えました。


 4月15日午前、首相官邸。この日、公明党代表の山口那津男の表情は、鬼気迫るものがありました。「所得制限なしで1人10万円の一律給付をスピーディーに行う対応こそ国民から支持されるに間違いない。決断してもらいたい」。安倍晋三首相と向き合った山口代表は、今年度第1次補正予算案に10万円一律給付を盛り込むよう単刀直入に訴えました。 山口代表が強い決意で首相に政治決断を迫ったのは、新型コロナウイルスの拡大という国難を乗り越えるには、全ての人に10万円一律給付を実施し、協力を得るしかないと腹をくくったからです。 国内では、3月から4月にかけて感染が急拡大し、政府は4月7日、7都府県を対象に緊急事態宣言を発令。人との接触8割減などで国民生活は一変し、そのあおりと休業要請で事業者も苦境に立たされていました。 もはや事態は一刻の猶予も許されません。しかし、すでに1次補正予算案は閣議決定済み。生活支援策として減収世帯を対象とした1世帯当たり30万円給付が盛り込まれていました。「与党が閣議決定済みの予算案を撤回させれば、極めて異例の事態」(4月17日付「読売」)と見られかねません。 それでも、山口代表には絶対に譲れない理由がありました。政府が1次補正予算案を決定したのは、緊急事態宣言が発令される前のこと。「宣言が出されてからの国民の苦しみや影響を政治が敏感に受け止めなければならない。30万円給付で国民の支持が得られるのか?」 この思いから山口代表は15日午後、首相との電話の中で1次補正予算案を見直し、対象が限られ、自治体の事務負担も大きい30万円給付を取りやめた上で、10万円一律給付を実施するよう改めて要請しました。首相は「自公の政務調査会長で議論をまとめてほしい」と応じました。その後、自公両党の幹事長、政調会長は3回にわたって協議を続けましたが、交渉は難航し、結論は出ませんでした。 翌16日。事態を打開しようと山口代表は電話で再び首相に「2次補正予算の編成を待っていては手遅れになる。今、決断すれば、1次補正予算の月内成立に間に合い、早い支給が可能だ」と直談判。そして、同日午後、ついに事態は大きく動き出しました。 その時、首相は電話で山口代表に語りました。「10万円を所得制限なしで一律に給付する方向性だ」。緊急事態宣言の全国展開に伴う国民の協力に向け、1次補正予算で10万円一律給付を実施するという首相の英断でした。 危機克服へ国民の“連帯”の意義も込められた10万円一律給付。この観点から公明党の奮闘には「社会の分断をつくらない方向に導いた」(作家の佐藤優氏)との評価も得ました。16日夜、首相は山口に語り掛けた。「与党がさらに結束する良いきっかけになった」と。


 国の第1次補正予算が成立すると、正確に一刻も早く、国民に10万円を届ける役割は、市町村に投げかけられました。市町村は限られた人員で懸命の作業を続けています。茨城県議会公明党の要請で、県市町村課がまとめた資料によると、県内では90.9%の世帯に給付が完了しました。市町村別に観てみると、9割以上の給付率の市町村が39市町村。利根町では98%に達しました。世帯が多い水戸市、つくば市が80%となっています。牛久市の61.2%は検証が必要かもしれません。