2050年日立の人口は10万4000人余りに/国の研究機関が新たな人口推計

12月22日、国の研究機関である“社会保障・人口問題研究所”は、2020年の国勢調査をもとに2050年までの30年間について、5年ごとの人口推計の結果を公表しました。これによると、日立市の人口は、2030年に15万人を割り込み、2040年は12万5000人余り、2050年には約10万5000人となると推計されました。

2020年174,508
2025年160,753
2030年149,141
2035年137,328
2040年125,845
2045年114,894
2050年104,391

茨城県の人口は、2020年に286万人でしたが、2050年は224万人となり、62万人2割以上(21.7%)減少するとしています。2050年の人口の増減を関東地方で比較すると、東京都だけが2.5%の増加となり、埼玉、神奈川、千葉各県の減少率は10%未満にとどまる一方、茨城、栃木、群馬県など北関東3県は比較的減少率が大きくなっています。

2050年の人口を県内の市町村別でみてみると、人口が増えるとされるのはつくばエクスプレス沿線の3市。最も増加率が大きいのがつくばみらい市で13%増加し全国の市区町村で見ても10番目に大きくなっています。守谷市が11.4%の増加、つくば市が6%の増加となっています。一方、残る41市町村はいずれも人口が減少すると推計されています。

日立市を始め、水戸、つくば、土浦、古河の茨城県内主要5都市を比べてみると、県庁所在地の水戸市の減少率は9.9%で、今回の推計では、2035年までに水戸市とつくば市の人口が逆転し、つくば市が県内で最も人口の多い市になるとされています。その他、3都市も人口は減少しますが、県北日立市の人口減少が甚だしく、2020年からの30年で4割以上減って10万4391人となります。
2050年には、つくば市が25万6000人、水戸市が24万3000人、ひたちなか市が13万2000人、土浦市が11万8000人、古河市が10万7000人と日立市は人口規模で第5位に後退します。

社人研が新たに公表した人口推計と日立市の総合計画の人口ビジョンを比べてみたいと思います。
日立市総合計画(2022年~2031年)によると、日立市の将来人口について以下のように記述してます。

本市では、 2020 (令和2)年3月に、国や県の地方創生の動きや本市におけるこれまでの取組の検証等を行い、 第2期の「日立市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定するとともに、「日立市人ロビジョン」を改訂し、人口減少克服と地方創生に重点的に取リ組んでいます。
そこで、 本総合計画の目標年次である、2031(令和13)年度の人口は、第2期 日立市まち・ひと・しこと創生総合戦略における「日立市人ロビジョン」との整合を図リ、15万人と想定します。

日立市総合計画P36

2030年の社人研予測は、目標年度の1年前であるにもかかわらず149,141人と、すでに人口ビジョンの15万人の大台を割ると推計されています。人口ビジョンが努力目標ということであれば、その努力が実っていないと謙虚に反省しなくてはなりません。
日立市は2030年に15万人、2040年に12万5000人、そして2050年11万人という、現実的な人口推計をもとに、その住民が幸福を実感できる市政運営を行っていくべきでしょう。