「自己マネジメント力を育む学校教育の推進について」 令和6年 第一回定例会 予算特別委員会

【村本しゅうじ議員質問】

 次に、自己マネジメント力を育む学校教育の推進についてお伺いします。これからの子供達は、先の見通せない、誰も経験したことのない社会に船出していくことになります。

 そこで重要になるのが、自己マネジメント力、つまり、枠に嵌った思考の指示待ちの人間ではなく、自らやりたいことや課題を発見し、様々な人と調整し解決していく力ではないでしょうか。

 先日、公明党議員会で視察させていただいた福島県の義務教育学校「大熊町立学び舎ゆめの森」では、子どもたち一人一人が自分の学びをデザインし、好きなことに夢中になれる授業の展開により、成果を上げていました。

 まず、「レベルアップの時間」です。

 これは、授業の効率化やICTの活用によって捻出した時間で、子ども達が自身でカリキュラムを組んで学ぶ取り組みです。

 文科省において、2027年から授業時間を5分短縮して捻出した年間約85時間を学校の裁量でカリキュラムを組む方向で検討をしているとの報道がありました。本県では、レベルアップの時間を参考とし、その時間の使い方について、子ども達も入れて決めてはどうでしょうか。

 次に、長期休業の宿題や課題を自ら設定するというものです。

 先生と相談しながらにはなりますが、個別最適な学びを自分で判断して決定し、その目標に向かって挑戦するという、正に自己マネジメントの実践ではないでしょうか。

 このほか、子供たち・アーティスト・教員が協働して創り出す「演劇教育」を実施されていました。

 演劇教育は、学力や創造力、社会的スキルとの強い相関が証明されているそうです。

 本県でもこのような取り組みを学校現場に取り入れ、自己マネジメント力の積極的な育成を図ってはいかがでしょうか。

 以上を踏まえ、今後、どのように自己マネジメント力を育む学校教育の推進に取り組むのか教育長にお伺いします。

【教育長答弁】

【自己マネジメント能力の必要性】

 これからの社会を生きる子どもたちには、自ら課題を発見し、他者と協働しながらその課題を解決したり、自分のやりたいことに挑戦したりするなど、自らの行動を決断し、実行する力が必要であります。

【探究的な学びの推進】

 本県においても、児童生徒自身が主体的に学んでいく力を育むため、「学校教育指導方針」において、自ら課題を設定し、主体的に判断し、よりよく問題を解決する力を身につける「探究的な学び」を授業改善の重点として位置付けて、学校教育等の様々な場面で取り組んでおります。

 例えば、総合的な学習の時間では、自分たちの地域で運行されている「コミュニティバス」に着目し、バスの本数や運行経路における課題を見つけ、その解決のため、ICT機器を活用しながら、必要な情報を収集、調査し、実際に運行時間の変更や経路についてまとめるとともに、その考えを市に提案するなど社会参画を意識した取組につなげている事例もございます。

 さらに、総合的な学習の時間をはじめ、すべての教科においても探究的な学びの視点を取り入れた授業が展開されているところです。

 また、生徒が地域の課題解決等に向けた企画立案・実践活動を行う「IBARAKIドリーム・パス事業」において、中学生が霞ケ浦の水質浄化の実現や解決に向けた様々な試行錯誤を重ねる中で、アイスプラントという野菜が水質浄化に有効であることに気付き、課題解決に向け取り組んだ事例もございます。

 今後も、児童生徒自身が主体的に学んでいく力を育んでいくため、自分の学びを振り返ることを通して、「できた」、「わかった」という達成感、「もっと知りたい」という探究心を実感させ、次の学びにつなげていくことにより、探究的な学びの充実に努めまいります。

【学び舎ゆめの森での取組】

 なお、委員からご紹介のありました「大熊町立学び舎ゆめの森」での取組は、少人数の中で自分のペースや選択で、学びを進めていくということが特徴の1つでありますが、義務教育学校に加え、幼保連携型の認定こども園が併設され、0歳から15歳がともに学ぶ少人数での独創的な学びが実践される学校でありますので、今後、その取組について研究してまいります。

【授業時間の短縮について】

 また、授業時間の短縮については、文部科学省において議論がはじまったところであると承知しており、引き続き国の動向を注視してまいります。

【まとめ】

 県といたしましては、探究的な学びの推進を通して、児童生徒が自分で判断し、その目標に挑戦することができる自己マネジメント力の育成を図ってまいります。

【村本しゅうじ議員質問要望】

 教育環境も大きく変革をしていくときだと思います。

 子供を信じて、自分で未来を切り開ける人材を育てていただきたいと思います。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。

 #茨城県議会 #日立市