麻疹(はしか)の感染が急増中――予防接種の再確認を

5月8日、茨城県内で新たに3人の「はしか(麻疹)」の感染が確認されました。これで今年に入ってからの感染者数は19人となり、2019年に記録した年間17人をすでに上回りました。これは過去10年間で最も多い数字となっており、県としても非常に深刻な事態と受け止めています。

こうした状況をふまえ、茨城県では5月9日から独自に「注意報」と「警報」の運用を開始することを決定いたしました。これは、感染の広がりが見られる兆候が出た段階で、早めに県民の皆さまへ注意喚起を行い、さらなる感染拡大を防ぐための対策です。全国的にも珍しい取り組みであり、茨城県としての強い危機管理の姿勢を示すものです。

今回感染が確認された方々については、不特定多数との接触は確認されていないとのことですが、麻疹は非常に感染力が強く、空気感染もします。そのため、一度流行が始まってしまうと、瞬く間に広がってしまう危険性があります。

また、麻疹は「子どもだけの病気」と思われがちですが、実際には大人でも感染し、重症化することがあります。高熱や発疹だけでなく、肺炎や脳炎といった重い合併症を引き起こすこともあるため、決して軽視できません。

特に昭和生まれの方の多くは、当時1回接種が一般的だったことから、現在の基準である2回接種を満たしておらず、十分な免疫を持っていない可能性があります。私自身も、この機会に自分の予防接種歴を確認いたしましたが、このような行動は決して大げさではなく、自分と周囲を守るためにとても重要なことだと実感しております。

皆さまにおかれましても、ぜひご自身とご家族の接種歴を今一度ご確認いただきたいと思います。特に、妊婦さんや乳児がいらっしゃるご家庭、高齢者施設に関わる方などは、重症化のリスクが高い方との接触も多いため、早めの対応をおすすめいたします。

茨城県としても、正確な情報の提供や、必要な予防接種を円滑に受けられる体制づくりを引き続き進めてまいります。県議会としても、感染症対策に万全を期すべく、関係機関と連携しながら体制の強化を求めてまいります。