令和5年 第二回定例会 予算特別委員会での質疑 「公立幼稚園における避難訓練の改善について」

【村本しゅうじ議員質問】

 次に、公立幼稚園における避難訓練の改善についてお伺いします。

 近年の災害は、激甚化広域化頻発化の一途を辿り、更に、教育現場をターゲットとした犯罪も増加していることからも、公立幼稚園における避難訓練の重要性は益々高まっていると言えます。

 この避難訓練は、根拠法の違いから、保育所等では毎月の実施が義務付けられていますが、幼稚園においては年2回以上と定められています。

 同じ子供でありながら、防災に対する取り組みが違っていることに違和感を覚えます。

 避難訓練は、子供たちの練度も向上させますが、先生たちの意識も向上させることが期待できます。

 たまにしか実施しないと手順ややるべきことを忘れる等いざという時に役に立たない可能性もあります。しかし、毎月実施することで、子供も先生もスムーズに行動できるようになり、更に慣れると負担感も無くなると思われます。

 また、実効性ある避難訓練とすることも、非常に大切なことであります。

 複合災害への対応や自分達だけでも命を守ることができるよう、是非実効性ある避難訓練としていただきたいと思います。

 まずは、避難訓練の実施回数や実施内容の調査を早急に行うことをお願いします。

 そして、その結果、毎月実施していない公立幼稚園が多い場合には、毎月1回の実施に向けた働きかけを行なっていただき、実効性ある避難訓練の例があれば、全公立幼稚園で共有することを検討するなど、子供の安心安全の格差を是正していっていただきたいと思います。

 そこで、公立幼稚園における避難訓練の改善について教育長にお伺いいたします。

【教育長答弁】

 お答えいたします。

 県ではこれまで、東日本大震災などの教訓を踏まえ、毎年、幼稚園を含め学校の安全管理業務を担当する教員などを対象に、学校安全や災害対応に関する研修等を実施しております。

 その中で、危機管理マニュアル等の定期的な見直しや地域の災害リスクに応じた避難訓練等を実施するよう指導し、幼稚園等における防災体制の整備に努めてまいりました。

 今回、本県の公立幼稚園の避難訓練の状況を調査したところ、全80園中47園、全体の約6割で毎月実施しており、2か月に1回以上実施している23園を含めると約9割となります。それ以外については、主に10名以下の小規模な園となっております。

 避難訓練は繰り返し行うことで、教職員の危機管理意識を向上させ、子どもたちがいざという時に、迅速かつ適切な行動がとれるようになると考えますので、実施回数の重要性を市町村へ周知してまいります。

 さらに、近年、火災だけでなく地震や大雨等の大規模な災害や、学校における不審者侵入等の事件が発生していることから、子どもたちの身の回りで起こりうる様々な場面や時間帯を想定し、より実践的で実効性のある訓練を行っていくことも大変重要であると考えております。

 本県の公立幼稚園におきましては、2022年度の文部科学省のアンケート調査結果によると、消防訓練に加え、予告なしの訓練や地震と火災を組み合わせた訓練、保護者や地域住民、関係機関が参加した訓練など、様々な場面を想定した取組を行っております。

 また、つくば市や常総市では、過去の被災状況を踏まえ、それぞれ竜巻や水害を想定した訓練を行うなど、地域の災害リスクに応じた避難訓練を実施している状況にございます。

 これまで毎年、公立小・中・高等学校等を対象に避難訓練の回数や内容を含め、学校保健・学校安全実態調査を行っておりますが、今後は、公立幼稚園も対象とし、調査結果を市町村にフィードバックすることで、さらに充実した避難訓練となるよう促してまいります。

 県といたしましては、今後も各幼稚園の状況に合わせた実効性のある避難訓練を実施するよう研修会等をとおして市町村へ働きかけ、引き続き、子供たちの安心・安全の確保に努めてまいります。

【村本しゅうじ議員要望】

 幼いころに身に着けたものは一生ものとなります。実効性あるそして身に着く避難訓練としてください。また、是非私立の幼稚園にも展開していただきたいと思います。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市