県北地域のものづくりを復活を目指す産学官の協議会/衛星用モーターを開発

9月4日付けの地元紙・茨城新聞に、現在県北地域で進んでいる“ものづくり産業復活のための産学官プロジョクト”が紹介されました。

日立市に工学部のキャンパスを置く茨城大学や市内の中小製造業のほか、取り組みを支援する県や市、日立地区産業支援センターで構成される「電動力応用で強い県北産業の復活協議会」は、新素材を使った次世代型の産業用モーターの開発に取り組んでいます。開発を目指すモーターは、次世代材料として期待される「アモルファス金属」を使い、同じ出力の現行製品に比べ、75分の1まで小型化させた革新的モーターです。従来の金属に比べてエネルギーの損失が少ないため小型化につながる一方、薄い箔の状態で形成される上に硬いため、加工が大変難しい特徴があります。

協議会は会員それぞれが持つ技術を結集し、特殊な金型打ち抜きや、極めて薄い材料の積層、試験装置の製造、組み立て工程などを地元企業が担当。大学側はプロジェクトの管理や量産化に向けた研究、各種データの解析・評価などを進めた結果、これまでにアモルファス金属を使った出力1キロワットの試作モーターの開発に成功しました。

次の段階として小型衛星の姿勢を制御する「リアクションホイール」をアモルファス金属で製造する計画です。モーターで駆動する装置で、衛星の小型化を目指します。県の宇宙ビジネス支援事業で小型モーターの国産化を目指す「スターエンジニアリング」社と協力し、年度内にも最初の試作機を開発します。また、従来型のモーターで動くキックボードや自転車などにアモルファスモーターを搭載する構想も描いています。

この協議会の活動に、茨城県議会公明党の村本修司議員も積極的に関わってきました。村本議員の「県政ホットラインVol.6」から、当時の記事を紹介します。

(2020年)9月24日、茨城県議会と茨城大学は、相互連携・協力に関する包括協定を締結しました。この協定は、組織間の連携・協力をさらに深め、地域の課題に対応し、活力と魅力にあふれる地域づくりや人材の育成を進めることが目的です。

私は、県北ものつくり産業復活の為に「革新的モーター」開発プロジェクトなどに積極的に協力しています。このプロジェクトは、茨城大学と日立市内中小企業が持つ電動機や材料利用などの高度な技術力を活かし、先進的小型モーターの開発を目指すものです。幅広い用途がある産業用モーターの小型軽量化で、現状の100kWクラスのモーターに比べ、直径が5分の1、長さが8分の1、重さが75分の1の「手のひらサイズ」の革新的モーターを開発。宇宙での過酷な環境にも適応できる技術開発も見据え、宇宙開発ビジネスへの活用を視野に入れます。

「ものづくりのまち日立」の底力を用いて新たなモーター開発に取り組むことで、県北地域の振興を図ります。

(2020年10月 村本修司県政ホットライン Vol.6)