令和4年 第二回定例会 一般質問/「外国人をはじめとした日本語指導が必要な子どもへの支援について」

【村本しゅうじ議員質問】

 最後に、外国人をはじめとした日本語指導が必要な子どもへの支援についてお伺いします。

 昨今、日本では、外国人技能実習生や特定技能による外国人材など、数多くの外国人の方が来日しており、日本語指導が必要な子供が年々増加をしています。

 文部科学省では実態を把握するための調査を実施し、本年3月にその結果が公表されました。

 その調査結果によると、小中学生に相当する外国人の子供の数は13万人を超え、不就学の外国人の子供は減少傾向にあるものの未だ1万人程度存在することが明らかとなりました。また、公立の小中学校における日本語指導が必要な児童生徒数は、日本国籍を含めると5万人超になります。

 本県においても、小中学校に通っていない外国人の子供は261人おり、日本語指導が必要な児童生徒の数は日本国籍を含め1,551人おります。

 先の調査結果によると、日本語の指導が必要な中学生の高校等への進学率は、89.9%と全中学生の99.2%と比べて、10ポイント近く低い値となっており、高校生の中退率も、5.5%と全高校生の1.0%と比べて、5倍以上になっています。

 また、親に帯同されて来日した「家族滞在」の在留資格で暮らす子供が高校を卒業せずに就職した場合、就労が28時間以内に制限されるため、非正規労働への就業を加速する要因ともなっており、就学・進学の状況や日本語を話せるかどうかは、その先の就職にも大きな影響を及ぼしていると言えます。

 このような観点からも、高校へ進学し卒業することは、彼ら彼女らにとって大変重要な問題であります。

 そのような中、国では、「共生社会の実現に向けた外国人児童生徒等の教育」を推進すべく、日本語指導体制の整備など教育の充実に向けた様々な支援制度を設けており、県に対しても「地方公共団体が講ずべき事項に関する指針」を発出しています。

 県では、市町村等と連携し、日本語教育の充実、コーディネーターの十分な配置などは勿論のこと、不就学の実態を正確に把握することや、中退、進学しないことについて、その理由や原因を早急に調査して、対策を検討する必要があると考えます。

 また、日本人ならば、誰でも日本語が教えられるという訳ではなく、質の高い日本語を教える専門人材の育成も重要であると考えます。

 以上を踏まえ、外国人をはじめとした日本語指導が必要な子どもへの支援について、今後どのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いします。

【教育長答弁】

 外国人をはじめとした日本語指導が必要な子どもへの支援についてお答えいたします。

 日本語指導が必要な子どもたちが、国籍に関わらず、学びや成長の機会を得て、個々の能力を発揮できる教育体制を整えることは大変重要であります。

 このため、県では、令和3年度において、日本語指導を必要とする児童生徒が概ね6人以上在籍する小・中学校68校に、日本語指導教室を設置し、日本語の習熟度に応じた教育課程を編成して、一人一人に寄り添った支援の充実に努めてまいりました。

 また、日本語指導教室を設置していない学校に対しましては、大学やNPO法人と連携し、オンラインを活用した日本語初期指導を実施しております。

 特に、令和3年度は、県内6中学校をモデル校とし、在籍する日本語指導を必要とする生徒に対して、それぞれの日本語の習熟度など生徒の実態に応じた指導を行ったことにより学力が向上し、希望する生徒全員が高校進学を果たしました。

 そこで、今年度は、日本語指導教室を72校へ拡大するとともに、6校のモデル校で実施してきた取組を、日本語指導教室が設置されていない県内全ての中学校等へ広げることで、一人一人の実態に合わせた日本語指導の更なる充実を図ってまいります。

 加えて、日本語指導を充実させるためには、専門人材を育成することも重要でありますので、今年度より、教育研修センターにおいて、日本語指導担当者を対象とした研修を実施し、日本語指導の在り方や好事例を共有し、指導力の向上に努めてまいります。

 また、高校に進学することは、基礎学力の習得はもとより、商業や工業など将来の職業で必要とされる専門的な知識や技術を学ぶことができるなど、生徒が将来を主体的に切り拓いていくために重要でございます。

 県では、これまで、多言語による高校進学に向けての動画配信や進学ガイドブックの提供、日本語指導を必要とする生徒の家族を対象とした高校説明会を実施してまいりました。

今後は、さらに日本語指導が必要な生徒が、自分の希望する進路を選択できるよう、高校進学に向けたキャリアガイダンスを充実させ、進学率の向上に努めてまいります。

一方、本県において、小中学校に通っていない外国人の児童生徒、いわゆる不就学の児童生徒は、令和3年5月1日時点で261名おり、その理由としては、宗教上の理由や母国の学校に在籍したままオンライン授業を受けているなど様々です。

 議員ご指摘のとおり、こうした不就学の状況を正確に把握し、就学の機会を提供することは重要なことから、今後も市町村教育委員会と連携の上、外国人児童生徒が適切に就学できるよう、個々に聞き取りを行いながら粘り強く働きかけてまいります。

 このほか、県立高校においては、今年度から、多くの外国人生徒が在籍する石下紫峰高校と結城第一高校をモデル校として、大学やNPO法人と連携し、外国人生徒に対する学校生活の支援や学習支援を開始したところです。

 翻訳や通訳の派遣、母国語での相談など、学校生活をサポートするためのコーディネーターを配置し、卒業まで生徒が安心して高校生活を送れるよう支援するとともに、将来の就職を見据え、外部専門家を活用した生徒・保護者向けの講演会を開催するなど、キャリア教育も推進してまいります。 県といたしましては、日本語指導が必要な子どもたちが、自分の希望する進路に進めるよう、引き続き大学やNPO法人などの関係機関と連携し、小中高でのシームレスな日本語指導や生活への支援体制の充実を図ってまいります。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市