令和4年 第三回定例会 一般質問「特別支援教育に関わる教員の更なる質の向上について 」

【村本しゅうじ議員質問】

 特別支援教育に関わる教員の更なる質の向上についてお伺いいたします。

 私の地元にある日立市立日立特別支援学校は、県内唯一の市立の特別支援学校であることから、小中学校の教諭が配置されています。一方、県立の特別支援学校は、特別支援学校の教諭として、一般の教諭免許に加え大学や研修会で特別に取得した特別支援教諭免許の所持が条件として採用されます。

 このため、県立と日立市立では、教諭の特別支援教諭免許の保有率に差があり、令和元年第2回定例会の一般質問において、日立特別支援学校の「特別支援学校教諭普通免許状」の保有率の向上をはじめとした特別支援教育に関する教諭の資質向上への今後の取り組みについて、お伺いいたしました。その結果、現在では、日立特別支援学校の教諭における特別支援教諭免許の保有率は100%として戴くことが出来ました。

 その後、ある保護者の方から、教諭の免許保有率は確かに向上したけれども、臨時的任用職員である講師の方も一定数おられ、その方々の免許保有率は決して高くはないとのご指摘を戴きました。日立特別支援学校の教員78名のうち、講師は、28名で全体の38.9%であり、また、講師の免許保有率は、県立の67.5%に比べ7割程度の50.0%であること、更に、年齢構成も随分と違いがあることがわかりました。

 県には、これまでも十分に日立特別支援学校の教育の質の向上に努めていただいており、教諭の免許保有率の劇的な向上はそのひとつであります。講師についても県立と市立で教育の質に差が出ることのないよう、対応いただきたいと考えております。

 国でも、全ての教諭が特別支援教育への理解を深め、専門性を持つことが重要であるとしています。このため、これまで進めていた特別支援学校の教諭の免許保有率の向上に加え、全ての教員が採用から概ね10年以内に特別支援教育を経験することが望ましいとの案が示されました。

 県では、これまでのように、国の方針に従って、教諭の特別支援教諭免許取得を奨励していただくことは勿論のこと、人事異動の際には、免許保有を条件にしたり、特別支援教諭の採用の際には、日立特別支援学校への配属もありうることを記載するなど、県立と同等レベルとなるような配慮をお願いしたいと思います。

以上を踏まえ、日立特別支援学校を含めた、特別支援教育に関わる教員の更なる質の向上について、今後県としてどのように取り組むのか教育長にお伺いいたします。

【教育長】

 特別支援教育に関わる教員の更なる質の向上についてお答えいたします。

 日立市立日立特別支援学校については、県内唯一の市町村立の特別支援学校であり、他の市町村立の学校と同様に、小中学校教員として採用された教諭が配置されております。

 特別な支援が必要な児童生徒一人一人のニーズに応じた教育の質を高めるためには、特別支援教育に関わる教員が、障害の特性に応じた支援方法等の専門性の向上を図ることが何より重要であると考えております。

 県といたしましても、特別支援学校教諭免許状取得のための講習会や特別支援教育に関する研修を充実し、特別支援教育に関わる教員の更なる質の向上に努めているところでございます。

 日立特別支援学校においては、令和元年度以降、特別支援学校教諭免許状の取得が促進され、日立特別支援学校に勤務する教諭全員が特別支援学校教諭免許状を保有しております。

 併せて、県立、市町村立双方の教員の質の向上を目的として、県立特別支援学校と日立特別支援学校の人事交流を積極的に推進しており、現在、11名の県立特別支援学校教員が、日立特別支援学校に勤務しているところです。

 一方で、教員の年齢構成について、30歳代以下は、県立特別支援学校が39.5%であるのに対し、日立特別支援学校は22.8%であり、県立特別支援学校と比較して、若手の教諭が少ない状況にあります。

 このため、特別支援学校教員選考試験合格者を新規採用教員として日立特別支援学校へ配置することや、現在、県立特別支援学校に勤務している教員を日立特別支援学校へ更に異動させることについて、検討してまいります。

 また、議員御指摘のとおり、講師の特別支援学校教諭免許状の保有者が半数となっていることから免許状の取得や研修等への積極的な参加を促し、資質の向上が図られるよう、取組を強化しているところでございます。

 今後も、講師を志願する者のうち、特別支援学校教諭免許状保有者については、優先的に日立特別支援学校に配置できるよう配慮し、免許状保有率の向上を図ってまいります。

 令和4年3月に取りまとめられた、国の検討会議の報告において、特別支援教育に関する知見や経験は、教育全体の質の向上に寄与するものであり、特別支援教育の専門性を担保しつつ、携わる教師を増やしていくことが必要との方向性が示されました。

 県といたしましては、こうした国の動向を踏まえつつ、引き続き、日立特別支援学校を含め、特別支援教育に関わる教員の更なる質の向上を図ってまいります。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市