「子どもアドボカシーの推進について」令和5年 第三回定例会 一般質問

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4 子どもアドボカシーの推進について【福祉部長】

【村本しゅうじ議員質問】

 子どもアドボカシーの推進についてお伺いします。

 子どもアドボカシーとは、社会的養護を必要とする子どもに対して、自分の身の振り方が決定される時に意見や考えを表明できるようにサポートすることであり、子どもアドボカシーを実践して子どもの声を代弁する人を「アドボケイト」と言い、子どもが気を使って本音が話せなくならないように保護者、学校、関係機関から独立していることが重要な制度です。具体的に言うと、子どもに意見表明権があることを教えた上で、その意見を聴き、思いや不満を一旦受け止めます。もし、自分の意見を関係者に伝えたいがやり方がわからなかったり、勇気が出ない場合、やり方を一緒に考え、情報を提供し、行動支援や代弁するということです。

 1970年代の英国において、児童虐待死事件をきっかけに民間団体が活動を開始し、2002年にアドボカシーサービスをすべての自治体に設置することが義務付けられました。

 我が国においても、令和4年6月に児童福祉法が改正され、来年令和6年4月より施行されます。

 その中で権利擁護については、①権利擁護の環境整備の実施義務化、②意見聴取等措置が実施義務化、③意見表明等支援事業の体制整備の努力義務化の3つが法定化され、各自治体において準備することが必要となりました。

 そして、国では、昨年度、自治体において体制整備を行っていく上でのスタートアップマニュアル案や、こどもの意見表明を支援する「アドボケイター」の養成に関して等の研修カリキュラム例などを策定し、本年5月に各自治体向けに公表していると伺っています。

 先にも述べましたが、この制度は独立性が重要です。また、本人や保護者、関係機関の理解が進まなければ、無機質な手順がひとつ増えただけになってしまいます。

 特に関係機関では、理解不足からくる導入に対する抵抗感や負担感によって、現場レベルでの実効性が損なわれる可能性が大きいと思われます。

 また、アドボケイトの育成も課題があります。ただ意見を聴けばよいというものではなく、アドボカシー原則のひとつ「子ども主導」に則った活動ができる人材が必要で、良く弁護士が候補となっているようですが、児童福祉の専門家によるアドボケイトの育成を行うべきであると考えます。

 我々は、社会的養護を必要とする子どもの声を聴いてきたのかという反省の上に立って、この制度を意味のあるものにしていかなければなりません。

 既にアドボカシーを導入するための様々な情報は揃っており、待ちの姿勢ではなく、子どもの権利擁護のために、前のめりで準備を進めていただきたい。

 そこで、来年度から実施が予定されている児童の意見表明等支援事業、子どもアドボカシーの推進における県の方針を福祉部長にお伺いします。

【福祉部長答弁】

 子どもアドボカシーの推進についてお答えいたします。

 虐待などに伴う、子どもの児童養護施設への入所や一時保護などの社会的養護に当たりましては、子どもの最善の利益を優先して対応する必要があり、子どもの意見表明権を保障し、権利擁護を図る、いわゆる「子どもアドボカシー」の取組は大変重要であると認識しております。

 このため、県では、児童養護施設への入所に際し、保障されている権利を分かりやすく説明した「子どものための権利ノート」や「施設入所の手引き」を活用し、子どもが主体的に意見を述べられるよう、児童相談所の職員がサポートをしております。

 また、子どもを支援する児童相談所や児童養護施設の職員、里親に対しても、毎年度、「子どもの権利擁護」に関する研修を実施し、子どもを権利の主体として尊重した上での支援スキルの向上に努めております。

さらに、施設や里親に預けられた後も、児童相談所の職員が訪問し、日常生活や家族との交流状況などについて、子どもから直接聴き取りを行い、処遇の見直しを図るなど、より良い養育環境の提供に努めております。

 こうした中、児童福祉法の改正により、都道府県において、子どもの権利擁護の取組を引き続き推進するため、子どもの権利擁護に係る環境整備、一時保護や入所措置決定時における子どもへの意見聴取の実施、意見表明等支援事業の実施に取り組むこととなりました。

この改正を受け、国においては、「権利擁護スタートアップマニュアル」案を本年5月に公表し、新たな取組に係る検討事項や実施内容などが示されたところです。

 本県においても法改正の趣旨に則り、子どもが自らの処遇について意見表明できる機会や環境を整備してまいりますが、子どもが一人で自分の意見を表明することが難しい場合も想定されることから、適切な意見表明支援の仕組みが必要となります。

 そこで、児童福祉に関する知識、経験を有し、児童相談所など関係者から独立したアドボケイトが子どもの意見を聴き取り、又はその意見を代弁し、児童相談所その他行政機関などとの調整を行う意見表明等支援事業を適切に実施することが、非常に重要であると考えております。

 一方で、意見表明等支援事業の実施に関しましては、アドボケイトの独立性確保のための実施団体の選定や、アドボケイトの活用場面などの検討が重要であり、国のマニュアルや先行事例においては、実施団体として、弁護士会のほか、公認心理士会などの福祉専門職団体やNPO法人、社会的養護の当事者団体などが示され、活用場面についても、一時保護中、施設入所等の措置決定時など様々な状況が想定、例示されております。これらの課題を含めて、児童福祉関係団体などと協議・検討を重ね、来年度の事業実施に向け、着実に準備を進めてまいります。

 特に、議員ご指摘のように、「こども主導」に則った意見表明等支援事業を円滑に進めるために、児童相談所のほか、社会的養護に関わる関係者のご理解とご協力が大変重要であることから、今年度のうちから積極的に普及啓発を図り、子どもアドボカシーへの理解促進と取組への参画を促してまいります。

 県といたしましては、子どもの意見を十分に尊重して、子どもにとって最善の利益を優先し、心身ともに健やかな成長が図られるよう取り組んでまいります。

【村本しゅうじ議員質問要望】

 先ほども、申し上げましたが、来年令和6年4月より施行され、アドボカシーサービスが開始されます。スタートが肝心です。質の高い準備をしていただいて、茨城県における児童福祉が格段に進むようお願いいたします。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。 #茨城県議会 #日立市