村本議員の提案実り、令和6年度から精神障害2級に「マル福」適用
茨城県議会公明党の村本しゅうじ議員が、県議会で提案した精神障害者への「マル福」適用拡大が、来年度実現する運びとなりました。
昨年(令和5年)9月の定例県議会で、村本議員はマル福制度(福祉医療費助成制度)の対象に、精神障害者保険福祉手帳2級を持つ精神障害者を加えるよう提案しました。
茨城県は令和6年度から、通称「マル福」と呼ばれる医療費助成について、精神障害者保健福祉手帳2級を持つ一部の精神障害者などに対象を拡大します。県によると、精神障害2級を対象とした医療費助成は関東地方の都県では初めて。これまでは精神障害は1級までが対象でしたが、今回の改正で新たに450人ほどが加わり、外来、入院の医療費の自己負担がなくなります。県は拡充分の費用として新年度当初予算案に約4000万円を計上します。
マル福は市町村が住民に対して行う医療費助成に対し、県が半額を支出する制度で、1973年から始まりました。開始当初は1歳未満の乳児と身体障害者手帳1、2級の交付を受けた人が対象でしたが、県議会公明党などの強い働きかけで、現在は妊産婦や母子家庭、父子家庭、障害年金1級など徐々に助成対象が広がっています。精神障害は1級が新たに2019年から対象となりました。
厚生労働省は精神障害2級について、「日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」と規定。今回は2級のうち、身体障害者手帳の3、4級か、療育手帳B(中度)のいずれかとの重複保持者と、身体障害者手帳4級と療育手帳B(中度)の重複保持者も新たに対象とすることになりました。
精神障害2級は就労が困難な場合も多く、県内の関係者からもマル福に加えるよう要望が上がっていました。県精神保健福祉会連合会では「精神障害者は、定職に就けることが少ない。これまでは精神障害者の10%弱しか助成を受けられておらず、経済的に我慢して病院に行かない人もいる」と窮状を訴えていました。
こうした声を受け、昨年9月の県議会では、一般質問で村本県議らが2級までの拡充を求めました。大井川知事はこれに対し、「2級保持者に対し、本県のマル福制度と同様の医療費の助成を行っているのは全国で8県のみと、極めて少ない」と説明した上で、「本県の財政状況、身体障害者、知的障害者の方との公平性などを勘案しながら、どのような対応ができるか、今後、積極的に検討していきたい」と答弁していました。