「災害時の実効性ある道路啓開計画の策定及び対策について」

令和6年 第二回定例会 一般質

【村本しゅうじ議員質問】

 茨城県における災害時の実効性ある道路啓開計画の策定及び対策についてお伺いします。

 道路啓開計画とは、緊急車両等の通行のため、早急に最低限の瓦礫処理を行い、簡易な段差修正等により救援ルートを確保する計画のことであり、大規模災害では、応急復旧を実施する前に救援ルートを確保する道路啓開が必要であるとして、国は計画策定を進めています。

 本年元日に発生した能登半島地震において、主要な道路が被災して、緊急車両や復旧に必要な車両が通行できないために、復旧が遅れているとの報道もありました。

 このような地震はどこにでも起こりうる災害であり、不幸にして発災してしまった場合の復旧作業の迅速化は人命救助にも大きく影響する問題であり、その根幹となる道路の啓開計画は重要であります。しかし、本年3月17日の読売新聞の記事によると、全国で17府県が未策定であり、その中に茨城県も入っているとのことでしたが、その後、県として計画策定に向けた取組は行っているのでしょうか。

 また、計画は策定しただけでは、絵に描いた餅となり効果が発揮できません。是非関係先と事前の準備をしっかりと行っていただきたいと思います。そして、道路は、国道や県道ばかりではなく、市町村道も多く、その啓開計画も重要となります。

 県として、その策定状況を把握して、適切な助言を行っていただきたいと思います。

 そこで、災害時の実効性ある道路啓開計画の策定及び対策について、土木部長にお伺いします。

【土木部長答弁】

 災害時の実効性ある道路啓開計画の策定及び対策についてお答えいたします。

 本県ではこれまでに、大規模地震の発生に備え、発災直後の救急救命や応急復旧、物資輸送などを円滑かつ確実に行うため、国や県などの道路管理者等で構成される協議会において、緊急輸送道路ネットワークを指定しております。

 このネットワークは、行政機関や災害拠点病院などの防災拠点を連絡する、高速道路、国道及び主要な県道などで構成されており、直近では、道路整備の進捗状況などを踏まえ、2022年3月に改定しております。

 県が管理する緊急輸送道路につきましては、法面などの防災対策、橋梁の耐震化など、国の防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の予算も最大限に活用しながら、必要な機能強化を着実に進めております。

 また、実際の災害発生時には、関係者との連携が重要であることから、資機材の提供や啓開作業などに協力をいただく34の団体と災害協定を締結し、協力体制を構築しております。

 さらに、迅速な被災状況の把握やインフラの早期復旧に対応できるよう、災害協定団体と連携した緊急パトロールや情報伝達に加え、レッカー車による放置車両の移動など、実効性の高い防災訓練を毎年実施しているところです。

 議員質問の道路啓開計画につきましては、災害対策基本法に基づく国の防災基本計画において、道路管理者が立案するものと明記されており、本県では、本年3月に開催した協議会において「茨城県道路啓開計画(案)」を策定したところでございます。

 災害時の人命救助においては、発災後の 72時間の対応が生存率を大きく左右するとされていることから、本計画では発災後  48時間以内の道路啓開を目標としております。

 また、道路啓開には、国や自衛隊、警察、電気通信事業者などの様々な機関が関わることから、これらの関係者が円滑に連携し、迅速な道路啓開が行えるよう、いつ、だれが、何をするか、を整理したタイムラインを盛り込んだ行動計画としております。

 今後は、計画に基づく訓練を実施するほか、あらゆる機会を捉えながら、課題の抽出を行い、計画の実効性を高めてまいります。

 さらに、大規模地震発生時において、孤立集落や避難所へ向かうためには、市町村道における道路啓開が必要な場合も十分に想定されますことから、市町村に対し適切な助言も行ってまいります。

 県といたしましては、引き続き関係機関と連携しながら、大規模地震発生時に確実に道路啓開が実施できるよう取り組んでまいります。

【村本しゅうじ議員要望】

 地震などの広域災害では、県の区割りが重要となると思います。復旧の要である道路の啓開について、県と市町村そして国が一体となって推進してください。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。

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