ハンセン病家族訴訟、国控訴せず/公明党の主張実る!
7月9日、ハンセン病の患者に対する隔離政策をめぐる集団訴訟で、安倍総理大臣は「筆舌に尽くしがたい経験をされたご家族の皆様のご苦労をこれ以上長引かせるわけにはいかない」として、控訴しないことを表明しました。
ハンセン病の患者に対する誤った隔離政策で家族も差別され被害を受けたとして、元患者の家族500人余りは国を訴えた集団訴訟を提起。6月28日、熊本地方裁判所は、元患者だけでなく、家族が受けた損害についても国の責任を認める初めての判断を示し、国に3億7000万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
これを受けて、7月12日の控訴期限を前に、安倍総理大臣は9日朝、総理大臣官邸で根本厚生労働大臣、山下法務大臣らと対応を協議しました。安倍総理大臣は記者団に「今回の判決の内容については一部には受け入れがたい点があることも事実だ。しかし、筆舌に尽くしがたい経験をされたご家族の皆様のご苦労を、これ以上長引かせるわけにはいかない」と述べました。そのうえで「その思いのもと、異例のことだが控訴をしないこととし、この方針に沿って検討を進めるよう関係大臣に指示した」と述べ、控訴しないことを表明しました。
ハンセン病をめぐっては、元患者が起こした裁判で、平成13年に熊本地方裁判所が、国の賠償責任を認めたうえで国会の責任も指摘した判決を言い渡し、当時の小泉内閣が「極めて異例の判断ではあるものの、早期に解決を図る必要がある」などとして控訴を断念しています。その背景には、当時厚生労働大臣であった公明党の坂口力氏の決断があったことは周知の事実です。
今回の家族への賠償に関する裁判でも、この坂口氏の決断の延長にあることは論を待ちません。