令和2年第2回定例会 一般質問「リカレント教育など学び直しの促進について」

県議会で一般質問を行う村本しゅうじ議員(2020/6/15)

7 リカレント教育など学び直しの促進について

【質問】

 リカレント教育など学び直しの促進について伺います。

 様々な技術の発展や社会的状況の変化により,働く環境は大きく変わってきております。このような変化に対応するために,これまでの知識の更新や新たな技術などを身につける必要があり,近年社会人の「学び直し」即ち「リカレント教育」が注目されています。

 文部科学省は,リカレント教育を含む社会人の学び直しの施策を打ち出しており,人生100年時代や技術革新の進展等を見据え,就職氷河期世代を含めた社会人の誰もがいくつになっても新たなチャレンジができる社会を構築するとしております。

 リカレント教育の効果として,その学習者の年収が非学習者に比べ3年で約15万円増加しており,就職率は13.8%,専門性の高い職業に就く割合は2.4%増加するという内閣府の調査結果もあります。

 今後は,労働人口減少やコロナ禍における社会構造の変化に対応し,ビジネスリーダーとなり得る人材を創出する必要があると考えます。そのためには,東京圏からの転職者や就職氷河期世代を念頭に置いて,コロナ後の社会動向やそれぞれの地域の産業の特色に沿い,産業界のニーズを反映した技術系講座の開設や,講座の受講が転職の際のアピールポイントとなるような認定証の発行などを検討してはいかがでしょうか。そして,各地域の大学や高等専門学校とも更に連携した,その地域ならではの魅力ある講座の開設を支援するなど,まさに産学官が連携して,リカレント教育から地域の活性化を図ることができるよう取り組む必要があります。

 一方,高齢化社会において,課題となる移動手段の確保や行政サービスの効率化等の解決の鍵のひとつがIoT技術の活用ですが,その入口となるスマートデバイスを有効に活用できる高齢者は,現実問題として圧倒的に少ないと言えます。このままでは,行政サービスの向上や地域の交通を支えていくであろうMaaSやスマートシティなどの実現が遠のいていくと言わざるを得ません。そこで,この高齢者向けスマートデバイス講座について,全高齢者へ実施するくらいの勢いで開催するべきではないかと考えます。

これらを踏まえまして,リカレント教育など学び直しの促進について,教育長にお伺いします。

【答弁】

 次に,リカレント教育など学び直しの促進についてお答えいたします。

 社会構造や働き方が大きく様変わりしている現在,社会に出た後も学び続けることにより,新たに必要とされる知識やスキルを身に付けていくことが大切であると考えております。

 特に,Society5.0の到来による急速な技術革新や人生100年時代を見据えた現代社会においては,生涯にわたって知識・スキルを高めていくための学びとして,リカレント教育が一層求められております。

 このような中,県の生涯学習センターにおいては,外部有識者などから,ご意見をいただきながら,現代的課題に対応する学びを提供していけるよう,セカンドキャリア教育のような転職や復職,さらには,起業等を考えることにつながる講座を充実させてまいります。

 また,職業に必要な知識やスキルを修得し,履修証明が取得できる本格的なリカレント教育は,例えば,茨城大学において,昨年4月から「リカレント教育プログラム」が開始され,社会人の学び直しが進められているところです。

 今後は,こうした大学や企業とも連携し,産業界のニーズを反映するとともに,地域の活性化にも役立つような新たなチャレンジにつながる講座の開設にも取り組んでまいります

 更に,リカレント教育に関する学びの情報や仕事につながる資格取得,職業能力開発に役立つ情報等を生涯学習に関するホームページに一元化することにより,情報発信を強化してまいります。

 また,MaaSやスマートシティの進展を踏まえますと,今後は高齢者においても,ICTを活用することが求められておりますので,企業と連携しながらスマートフォンやタブレット等の使い方に関する講座を県全域に広げるなどプログラムの拡充を図ってまいります

 県といたしましては,このような新たな取組を進めていくことで社会人の学び直しを促進してまいります。