「令和5年台風第13号により被災した道路の災害復旧や今後の対策について」 令和5年 第四回定例会 予算特別委員会
- 県道日立山方線及び県道十王里美線の本復旧の見通し
【村本しゅうじ議員質問】
令和5年台風第13号により被災した道路の災害復旧や今後の対策のうち、まず、県道日立山方線及び県道十王里美線の本復旧の見通しについてお伺いします。
本年9月に発生した台風第13号においては、私の地元日立市でも、山間部の土砂崩れなどにより、常磐自動車道をはじめ県道や市道でも数多くの通行止めが発生しました。
特に、県道日立山方線や県道十王里美線については、県北の沿岸部と内陸部をつなぐ重要な道路でありますが、通勤・通学や物流そして通院での利用も多いため、通行止めが解除されるまでの約2週間、迂回を余儀なくされ、県民の生活や企業の経済活動に影響を及ぼしました。
現在は、応急の安全対策が完了し、道路は通行できるようになったのを私も現地で確認しましたが、数箇所で片側交互通行が行われている状況であり、また、降雨が雨量基準を超えた場合には事前通行規制も実施されることになっています。規制当初は、早朝に「今日は規制されているのか?」との問い合わせもいただいたりもしました。
いずれの対応も被災箇所の土砂の崩落に備えたものであることは理解していますが、地元からは、「早く道路を復旧し全面開放してほしい」という声を聞いています。
そこで、県道日立山方線及び県道十王里美線の本復旧の見通しについて、土木部長に伺います。
【土木部長答弁】
台風第13号の降雨により、委員ご質問の県道日立山方線及び県道十王里美線につきましては、複数箇所で大規模な土砂崩れが発生したことから、全面通行止めを行い、解除までに約2週間を要しました。
現在は一部区間において、利用者の安全面を考慮し、応急的な対応として大型土のうによる土留めを行うとともに、基準を超える降雨があった場合に通行止めを行う、事前通行規制を設定し、片側交互通行により供用しております。
なお、事前通行規制の雨量基準につきましては、降雨経験や復旧状況を踏まえながら、順次見直しを行い、運用していくこととしております。
また本格復旧につきましては、国総研などの専門家の技術的な助言をいただきながら、詳細な現地調査や測量を行い、復旧・対策工法を決定し、国の災害査定を受け、対策に必要な補正予算案を今定例会に提出させていただいております。
今後は、2024年度中の本格復旧を目指して、擁壁工や土砂防止柵工などの土砂流出対策工事を実施してまいります。
【村本しゅうじ議員質問要望】
安全に留意して、一日も早く復旧を完了していただきますようお願いいたします。
- 道路における再度災害防止に向けた取組
【村本しゅうじ議員質問】
再度災害防止に向けた取り組みについてお伺いします。
台風第13号においては、山の急斜面から流れてくる雨水や土砂が道路を伝わり、低地にある住宅を襲った箇所が市内には何か所もありました。
被災直後には道路や河川、住宅などの被災箇所を訪れ、その被害の大きさを目の当たりにして、豪雨災害はどこにでも起こりうるものであることを改めて認識させられたところであります。
また、県内では、台風第13号のほか、本年6月にも県南や鹿行地区において大雨による被害があったところであり、豪雨災害が頻発化・激甚化していることも実感するところであります。
そこで、同様の被害を繰り返し発生させないために、「同地域で繰り返し発生する被害の防止・軽減」や「多発する同種の被災形態の被害の防止・軽減」「盛土による災害の防止」を目的とした再度災害防止が重要になってきます。
本定例会において、再度災害防止対策の補正予算が計上されていますが、県民生活や経済活動を支えるためにも、土砂崩れによる通行止めや道路冠水などが起こるリスクを極力減らしていくことが重要だと考えます。
そこで、道路における再度災害防止に向けた取り組みについて、土木部長に伺います。
【土木部長答弁】
近年、全国各地で集中豪雨による被害が多発するなど、気候変動の影響などに伴う、豪雨災害の頻発化・激甚化が著しく、委員ご案内のとおり、本県では6月にも、法面崩壊や土砂崩れ、道路冠水などによる通行規制が発生しました。
このような課題に的確に対応していくため、道路の法面崩壊及び土砂崩れの危険がある箇所においては、落石防止施設や法枠工による法面保護などの整備を進めてまいります。
また、道路冠水対策として、道路冠水の恐れがある箇所には、通行者への危険を促すための注意看板の設置や側溝清掃、縁石付近の堆積土砂の撤去など、適切な維持管理に努めてまいります。
加えて、通行規制が必要となった際に迅速な対応ができるよう、道路情報表示板や通行止め遮断機の設置などを進めてまいります。
そして、これらの対策を速やかに行うために必要な補正予算案を、今定例会に提出させていただいております。
県といたしましては、これらの再度災害の防止対策を着実に実施し、道路利用者の安全・安心の確保に努めてまいります。
【村本しゅうじ議員質問要望】
災害が発生してからの復旧を急ぐ対応も重要ですが、災害を発生させない方に予算をかける方がメリットが大きいと思いますので、予算確保と同時に着実な再度災害防止をお願いします。
また、治水のための設備ではありませんが、道路の側溝の排水能力の維持管理は重要ではないでしょうか?
県管理道路の実延長約4000km、両車線とした場合、単純に計算すると、側溝の延長は約8000kmあり、これの維持管理を県単独で行うことは、非常な困難を伴います。
一方、側溝の蓋は昔は自分たちで外して掃除ができたが、今の蓋は重くては外せないとのご意見を何人かのかたから頂きました。調べたところ、側溝の蓋開け装置が市販されており、道路ボランティアサポート事業の支給・貸与品の中に、この側溝の蓋開け装置を追加し、市民のボランティアを活用及び啓蒙することをご検討いただきたいと思います。
※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。
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