「実効性ある防災備蓄」 令和6年 第一回定例会 予算特別委員会

【村本しゅうじ議員質問】

 次に、実効性ある防災備蓄について伺います。

 私は、ある程度非常時であることは考慮しながらも、スフィアの理念を考慮して、次の3つの観点にて茨城県の防災備蓄を実効性あるものとする必要があるのではないか、つまり支援する側の理論ではなく、支援者へ必要なものが必要なときに供給できるようにすることが重要ではないかと考えております。

 まず、備蓄品は被災者の視点から見て必要な種類が揃っているか。

 次に、想定避難者数に対して備蓄量は足りているか。特に、簡易トイレや段ボールベッドは災害関連死を防止するためにも大変に重要なものだと思います。

 更に、輸送時間は考慮しているか。道路の被災状況によっては、備蓄場所から被災者へ届くまで、輸送に時間がかかることも考えられます。

 このように、種類、量、時間の観点を持って備蓄を行っているでしょうか。

 先日の公明党高崎代表の代表質問に対して、市町村が3日分を備蓄することとしており、想定外の事態が起きた場合に備えて、さらに、県の備蓄品および国のプッシュ型支援などで対応するとの答弁でした。

 現在、県では、水、食料については、想定する最大避難者数の1/4の3日分を備蓄していると承知しております。

 これらが絵に描いた餅とならないように、すべての市町村で3日分の備蓄が確保できているのか、県、国の備蓄品が3日以内に届くのか等、過去の災害状況を加味し、厳しめの条件を考慮したシミュレーションにて、常に確認を行っていただき、公表することによって県民の不安を一つ取り除いていただきたいと思います。

 そして、不足している市町村とは対話を行い、指導をするなど改善に結び付けていただきたいと思います。

 また、こういった対策を講じるうえで、実態把握が非常に重要となってきます。

 県では、「指定避難所の立地及び生活環境等に関する調査結果について」を平成31年の3月に発表しています。内容は、一般避難所や福祉避難所の数、市町村の食料の備蓄計 画の策定状況、トイレ設置状況など重要な項目ばかりです。

 現在においては、県民個人の備蓄量など、更に多くの項目の情報が必要ではないでしょうか。

 是非、継続的な調査の実施と公表をお願いいたします。そして、公表の際には、県、各市町村の備蓄充足度の確認結果なども併せて公表いただけますようお願いいたします。以上を踏まえ、市町村分を含めた県内の現在の備蓄の状況と実効性ある防災備蓄とするために県としてどのように取り組むのか防災・危機管理部長にお伺いします。

防災・危機管理部長答弁】

 お答えいたします。

 県の備蓄方針では、物資の品目ごとに目標量の具体的な考え方を示したうえで、感染症対策に必要な品目を追加するなどして、現在は13品目について、市町村と連携して備蓄に取り組んでおります。

 また、備蓄場所については、県央、県南、県西の3つの拠点を中心に県内12か所に分散を図っており、災害時には、協定を締結している運送事業者の協力を得て、被災地に搬送することとしており、管理上の問題で長期間備蓄することが難しい段ボールベットなどについては、協定を締結している企業から流通在庫の調達の支援を受けることとしております。

 こうした運送事業者や、流通在庫の支援を受ける事業者とは、委員が指摘されている、厳しい条件下でも被災地に迅速に物資を届けられるよう、平常時から十分に協議を行い、対策を講じてまいります。

 また、各市町村が備蓄を進めるにあたっては、保管場所の不足が障害になっているものと認識しており、このため、県で防災倉庫を整備した際に活用した国の有利な財源措置の検討を働きかけることなどにより、市町村における備蓄の促進を図ってまいります。

 また、県では、毎年度、県と市町村の備蓄分の状況について確認し、県全体の備蓄状況の把握を行っております。

 こうした物資の備蓄や搬送に係る取組状況などにつきましては、委員から、公表することが県民の安心につながるとの指摘をいただきました。まずは、備蓄数量の考え方や、県全体の備蓄数量と充足状況、また、県内に分散備蓄していることも含めて、県が率先して公表を進めるとともに、各市町村の状況の公表について、住民の安心につながるよう、市町村と協議してまいります。

 県といたしましては、災害時に、被災者が必要とする物資を確実かつ迅速に提供し、県民の安心につながるよう、引き続き、市町村や応援協定を締結している事業者との連携強化を図ってまいります。

【村本しゅうじ議員質問要望】

 様々備蓄についてのご配慮をいただいているというところでございました。

 しかし、先日の茨城新聞に輪島市の避難所備蓄なしの自治体が半数を超えるという記事もございました。

 地域差があることが問題だと思いますので、しっかりと各市町村の実態を調査いただいて、実効性ある備蓄となるよう今後もお願いをしたいと思います。

※本内容は、原稿や動画を基に作成しております。正式には、議会の議事録を参照ください。

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